★謎のお花見スポット?

 先週の「探偵!ナイトスクープ」で、瞬間視聴率が25%を超えたという作品の再放送があり、その中に、「謎のお花見スポット」というのが出てきた。

 和歌山県日高町から見える山頂付近に怪しくオレンジ色に光るところがあり、夜桜スポットのように見えるのだが、いくらがんばっても行くことができない。その謎を解きたいというのだ。

 依頼者と探偵が苦労した挙げ句現場に辿り着くと、そこにはフェンスで囲まれた航空機用の施設があったという。

 それはそれでいいのだが、「それが具体的に何なのかは国家機密で答えられない」「これ以上しゃべると俺が消されるかも・・・」みたいな終わり方をしていたのが不思議だった。

Dsc00204_32 番組中で和歌山県御坊市の名前も出ていたのだが、その付近の航空機用施設といえば、関西のパイロットならだれでも、「御坊VOR/DME」を思い浮かべるだろう。
 北側から南紀白浜空港に行くときは、この御坊VOR/DMEを目指し、そこで針路を変えて白浜へ降りる。

Dsc00203_32 航空地図を引っ張り出して確認し、google map で航空写真を見ると、問題の施設は間違いなくそれであった。番組で言っていた「西山」山頂のすぐ北に、見慣れた丸い円盤が写っている。田村探偵がたどった道路も見える。

 「航空保安無線施設」とか「地上航行援助施設」とかいうのだが、要するに航空機用の灯台だと思えばいい(かつてはほんとうに火をともす航空灯台も存在したらしいが)
 飛んでいる航空機がその場所からどの方向にどのぐらい離れているかがわかるように、電波を出して伝える施設である。

 VOR/DMEの意味はそれぞれ次の通り。

 VOR(Very high frequency(VHF) Omni-directional radio Range beacon:超短波全方向式無線標識)
 DME(Distance Measuring Equipment:距離測定装置)

 こんなものは秘密でも何でもない。↑のリンクの通り、国土交通省のウェブサイトで位置や目的を広報しているほどだ。
 第一、灯台が秘密だったら船は安心して航行できない。飛行機だって同じである。

 ネットで検索すると、自衛隊の施設関連だと推測している人もいるようだが、純然たる民間機専用施設だ。

 何であんな終わり方をしたのか。ああやって視聴率を稼いでいるのだろうか。