◆一足飛びに冬
バイク乗りは否応なく気温の変化に気づかされる。
ひとつコーナーを曲がると、一瞬にして空気が変わるということも珍しくない。
一日違うだけで、暑かったのが寒くなったり寒かったのが暑くなったりもする。
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つい2〜3週間前まで夏用のメッシュジャケットを着るのもためらうほど暑かったのだが、今日は寒いかもとかいうので、思い切ってウールのベストの上に革ジャンを着て出かけた。念のため、中に着るウィンドブレーカーも持っている。
奈良の山里に入ると、真っ昼間だというのにはっきりと寒い。水間町あたりでいったん休憩し、ウィンドブレーカーを革ジャンの下に着込む。
そこから山間に入っていくと、ますます寒くなる。遅めの昼食を曽爾高原で取るころには、もう、寒くて寒くて震えが来るほどだ。ごはんを食べるのにも苦労する。
バイク屋さんの強い勧めでつけていたグリップヒーターのお蔭で手はかじかんでおらず、箸が使えるのが救いである。
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帰路、西へ向かう高速道路上で、5時ちょうどに水平線近くにかかる太陽を見る。
えっ、もうそんな季節? 5時過ぎに日没なの?
その後日が暮れても、大阪平野を南北に貫く高速道路上では、真昼の奈良の山間よりも寒くない。
スピードが速いせいで、受ける風だって強いのに。
それにしても・・・
バイクって、この季節に乗ってもこんなに寒い乗り物だったっけ?