★最後も高層湿原

 旅行最終日となる土曜。

 何せ遠くにいるので、朝起きて食事をすませると、荷造りをして帰ること自体がその日の目的となる。
 谷川岳は諦めざるをえない。

 まず、前日に行った「たくみの里」に寄り、例の気に入ったナイフを2本買い足す。
 店頭では包み紙のまま渡してくれたのだが、車に戻ってから調べると、一本には傷がついていてもう一本には「バリ」があるようだった。前者は交換してもらったが、帰宅後検分すると、後者はバリではなく、ほんの少し先端が曲がっているのだった。それを直そうとしてツボにはまってしまった。

 ほれぼれする芸術的デザインなのだが、やはりポルトガル品質なのだろうか。こういうものはやはり通販では買えないなあと思ってしまう。
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 帰るだけとはいっても、ひたすら走るだけではもったいないので、トンボ目的で菅平と霧ヶ峰に寄ることにした。
 前者は夏の避暑地的にぎわいはあるものの、トンボがいそうな場所を見つけられなかったので早々に退散する。

 霧ヶ峰では八島(八島ヶ原)湿原を一周したが、トンボはあまりいなかった。

 ともかく、尾瀬ヶ原・戦場ヶ原・八島ヶ原と、高層湿原を回る旅行となった。湿原好きとしてはまあまあである。
 季節外れで花はあまり期待できなかったけれど。

 そうそう、Wikipediaには八島湿原が日本の高層湿原の南限だと書いてあったので調べてみると、ネット上にはそう書かれているところが非常に多く見受けられた。
 だが、政府関係や研究機関等のサイトを見ると、正しくは屋久島にある花之江河 · 小花之江河というところが南限らしい。

 おもしろいのは、鹿児島にある屋久島のひとつ北は、もう長野県中部の霧ヶ峰だということである。そして、長野県やそれより北には高層湿原がいくつもある。
 西日本にはほとんど高い山がないのでそうなるのだろう。大山なんかにあればいいのになあと思う。
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 思いの外早く、夜10時前には帰宅できた。雨には祟られたりしたが、特に何も悪いことなく帰って来られたことに感謝している。