●高性能なスズメ
先日、職場でスズメを見た。
いや、いつものようにいるのだが、この時期は特に、今年生まれの若い連中が危なっかしく枝につかまったり飛び回ったりしているので目につくのだ。
見ていると、そういう頼りなげな子どもでも、地面からさっと飛び立ち、すぐ巡航態勢に入れるのに気づき、ちょっと感動した。
飛行機は、相当長い滑走のあとでないと機体を宙に浮かせることはできない。
「ああ、だとすれば、ヘリコプターだと考えればいいのか」と一瞬思ったが、ヘリだって、エンジンをかけてから飛び上がるまでには相当の時間を要する。
しかも、最初地面を離れるときは(安全上の問題もあろうが)あくまで「ゆるり」であり、そんなに素早く飛び立てるわけではない。
ところが、か弱いスズメたちは、飛び立とうと思った瞬間、たぶん、0.1秒後ぐらいには、もう立派に空中を飛んでおり、ものの1秒も経てば、おそらく巡航速度に達している。
なんという高性能・・・
人類がどんな機械を作ろうと、これに匹敵する運動性を備えたものは無理なのではないかと思わされた。
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オスプレイという、その名も「ミサゴ」を名乗る垂直離着陸機の沖縄配備が物議を醸している。
ヘリのように滑走なしで飛び立つことができ、上昇してからは飛行機のように巡航できる。
しかし、あのスズメたちほどにすら、さっと上手に飛ぶことはできない。
そして、ミサゴを名乗るには恥ずかしいほど、よく墜落する。