★ニアミス?

 シアトルからサンフランシスコに帰ってきた。

 着陸するとき、何気なく外を見ていたら、かなり向こうをほぼ同じ高度で飛んでいる旅客機が見えた。

 飛行機の窓から他の機体が見えることはそれほど多くないので、興味深く眺めていると、ほとんど真横を同じように高度を下げてきて、どんどん近づいてくるように見える。

 速度もほぼ同じだ。

 動きからすると、向こうも同じ空港に着陸するとしか思えない。でも、何だか斜めに近づいてくるような見え方なので、まさか同じ着地点を目指してるんじゃないだろうなと、ほんの少しだけ心配になる。

 まあ、同じ滑走路に降りるなら、斜めに入ってくるはずはない。しかし、同時に降りるなら、当然並行滑走路だろうから、どうして斜めに近づいてくるように見えるんだろうと、ちょっと不思議だった。

 客席からは真横に見えるが、操縦士たちは気づいているんだろうかと、ちょっとだけ気をもむ。もちろん、管制を通じて互いの位置は把握してるだろう。こんなことなら、管制をモニターしておくんだった。客席に座ったまま、機内オーディオで聞けると案内があったのだ。

 そうこうするうち、お互いにどんどん高度を下げて、もはやぶつからんばかりに見えるようになる。

 そして、みごと!、ほぼ同時にタッチダウン。飛行機の中からすぐ横に降りる飛行機を見たのは初めてである。面白かった。

 それにしても、間違いなく2秒と違わずに着陸した。ほんとうに同時と言えるぐらいだったかもしれない。

 今調べると、こっちが降りたのが 28L、向こうが降りたのが 28R のようである。大阪の伊丹空港にだって並行滑走路はあるが、日本ではけっしてこんなオペレーションはやるまい。いくら別々の滑走路でも、ちゃんと時間をおいて着陸させるはずだ。滑走路間の距離の問題も大きいだろうけれど。

 なかなかいいものを見せてもらって、ちょっと嬉しかった。