★地震のニュースにだれも見向きもしていないシアトル空港

 シアトルの空港にいる。これからサンフランシスコに戻り、一泊してから帰国する。

 今度は飛行機が1時間ぐらい遅れそうだ。前回の轍を踏むまいと3時間近く前に空港に着いたのに・・・

 相変わらず、チェックインとセキュリティで1時間以上かかった。飛行機が日常の交通機関になっている国で、この非効率はどうなのかと思うが、まあ、たまのことだし、我慢するしかない。

 チェックインも機械を使って自分でやる。これが実に面倒な代物で、JALみたいにタッチして終わりとか、そんなシステムでは全然ない。

 けっこうな長さの英文でいろんなことを次々と聞いてきて選択させられ、ひとりひとりに相当時間がかかっている。人件費は確かに安くなるかもしれないけれど、行列を短くする役には立っていない。英語ネイティブと思しき人たちも、老眼鏡をずりあげたりしながら画面の文字を必死で読んでいて、なかなか次の画面に進んでいない。

 最後の方には、「あなたが乗ろうとしている飛行機にどうしても乗りたいけれど、チケットを持っていない人が出てきたりした場合、あなたは自分の席を諦めてその方に譲ってあげることに興味がありますか。譲っていただけた場合にはそれなりの報酬を差し上げます」みたいなけっこうまどろっこしい英語が出てきて、Yes か No を押さされるのだが、これを間違えると大変だと思うので、ノンネイティブとしてはもう一度読み直さざるを得ない。

 チェックインを助けてくれそうな係員は、機械10台ぐらいに対して一人だけのようで、常にだれかにかかりきりになっている。呼ばれてもその場を動かない。
 こんなシステムで、もし英語ができなかったらどうするんだろう? というか、そういう人はいっぱいいると思うんだけれど。

 そうそう、ターミナルからウィングに向かうシャトルの案内は、アナウンスも表示も英語と日本語だけであった。そんなに多くの日本人がここに来るのだろうか。
 仮にそうだとしても、あんなシャトルぐらいまあだれにでも乗れる。「扉から離れてください」とか「おつかまりください」とか日本語で言われる必要は別にない。
 それより、チェックインシステムを何とかしろよと思うんだけれど。
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 ゲートのテレビでは、Breaking News とかいって、東海岸で大きな地震が起こったことを報じている。「この地震の後は、どんなビジネスも以前のままではありえない」とか言っていて、それなりの地震だとは思うのだが、Nobody gives a shit. である。だれもまったくテレビ画面を見ていない。

 もしかして、大した地震ではないのだろうか。

 ともあれ、ここは西海岸。何ごともなければ1時間後には空の上にいるはずだ。