★渡航禁止を法制化???

 バカですか。アホですか。そんなことできるわけないでしょうが。日本国憲法を持ち出すまでもなく、移動の自由はもっとも根元的な基本的人権の一つである。案の定、「海外渡航の自由を保障した憲法上の制約から」(『朝日新聞』2004.4.21朝刊)法制化が見送られることになったという。身内のはずの外務省から説明されるまでそんなことも知らず、「法制化に向けたプロジェクトチームの設置も検討していた」(同)というんだから情けない。ピエロに失礼なぐらいの愚かなピエロである。「諸外国でも警告や勧告、情報提供にとどめていることなど」(同)も外務省から説明してもらったという。外務省も大変ですね。バカでエラソーな連中に、懇切丁寧な「初等教育」までしなければならないなんて。

 立法行為の根幹に係わる本質的かつ基礎的な知識すら持たず、憲法違反の法律を作ろうとするような連中が、「与党」の「国会議員」として立法府に所属しているとは、あきれ果ててしまうほかない。わけのわからぬ「自己責任」論を声高に振りかざしている連中と、多くは重なっているのだろう。

 それにしても、この国の(他の国のことはわかりませんが)政治家のレベルの低さにはほとほと参ってしまう。空しさを感じながらも「よりマシ」な候補に投票するのがわれわれの義務であると、再確認させられたことだけが収穫か。