●暗黒時代再来

 ニュースというにはやや旧聞に属するが、休みの日に『しんぶん赤旗』(日本共産党の機関誌)を配っただけで、社会保険庁の職員が逮捕!された。かと思うと、自衛隊イラク派遣反対のビラを防衛庁官舎の郵便受けに配っていた市民団体のメンバーも逮捕!された。前者は国家公務員法違反、後者は住居侵入だという。
 解説は不要だという気もする。が、いちおう書いておこう。休みの日に臨時的に政党機関誌を配っただけで逮捕されるならば、おそらく、『自由民主』を配っても『公明新聞』を配っても、公務員なら逮捕されてしかるべきであろう。だが、そういうニュースは聞いたことがない(あれば教えて欲しい)。選挙期間中どころか、選挙当日になっても、(時には候補者を連れて)家を訪問して公明党支持を訴える人は、私の経験だけでもざらにいるが、あの中にも公務員はゼロなのだろう。いや、あれは公務員であろうとなかろうと、公職選挙法に明白に違反しているのだが。
 後者の住居侵入「事件」は、集合ポストにビラを入れただけである(容疑は「住居侵入」だから、こちらは公務員云々とは無関係だ)。それで逮捕されるなら、集合ポストがオープンになっている集合住宅では、連日逮捕者が続出していなければならないはずだ。おそらく、同じ罪を犯している人は、毎日毎日、万のオーダーになるだろう。ぜんぶ逮捕すればどうですか? まあ、迷惑といえば迷惑ですから。
 あまりにも下劣かつ露骨な、思想・言論弾圧である。このままでは、暗黒時代が再来するかもという心配も、単なる杞憂では終わらないかもしれない。いや、逮捕された人たちにとっては、すでに暗黒時代は来ているのだ。
 あ、念のため、私は生涯を通じて共産主義者であったこともなければ、日本共産党の党員であったこともありません。これはほんとです。だから逮捕しないでね ^^; おー、こわいこわい。