●大人買い

 morio0101さんちのmurmurに、「毎週楽しみにしていた「エースをねらえ!」も終わってしまった。原作本を大人買いするか、思案中。(04/3/12)」というのがあった。たぶん、「大人買い」なさるでしょう・・・
 初めて聞く言葉だが、意味は明解にわかる。中高生のころは、しょっちゅう本屋に通っては、300円ほどの文庫本を買うべきか買わざるべきか2時間ほども思案したものだった。私が特別ケチだったこともあろうが、中高生というのは、今思えば、時間が無茶苦茶ぜいたくにあり、お金が信じられないほど自由にならない時代であった。そのころの経験はトラウマのように尾を引いていて、私は今でも、数百円の本を買うかどうか思案することがある。
 一方で、「大人買い」することも増えた。気に入った作家を見つけると、とりあえずその人の書いたものをぜんぶ買ってしまう(でも、文庫本だけにしてみたり・・・)。ほぼまったく買わなかった漫画ですら、『ナニワ金融道』とか『課長 島耕作』とか、『沈黙の艦隊』とか、がばっと10冊とか20冊とか一気に買って揃えてしまう。
 そのお金をあのころの自分にプレゼントして、かわりに時間をもらいたい。あ、ついでに元気も。前にも書いたが、もう長編小説を読む気力が湧いてこず、短編ファンになってしまった。長編ミステリが全盛で、短編ははやらないというのが信じられない思いだ。