◆年7.0%の高金利な貯蓄手段?

 ネットを見ていると、ときおり「年7.0%の高金利な貯蓄手段」をうたう広告が表示されるようになった。
 おそらく、「投資信託」を検索語に使ったからだと思う。

 今どき、年7%の運用なんてまずありえない。それ以外にも「年6回の分配《安心の元本保全型》」とか「 過去、元本割れ無しの確かな運用実績」とかをうたっている。
 さすがに「元本保証」とは書いていない。

 好奇心からクリックしてみると、要するに REIT (リート:「多くの投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品」(toushin.or.jp))の一種だった。

 それにしても7%・・・

 それで本当に「安心」「元本割れ無し」なんだったら、やらない理由がない。

 しかしながら、当然というか、検索するといろいろ問題があるのがすぐに明らかになる。
 「問題があるといわれているが、子細に検討してみると非常に有利な投資」というような、客観的な分析を装う手の込んだアフィリエイトサイト?も複数あって、ナイーブな人なら引っかかってしまうかもしれない。
 いや、そもそも、そういう人はネットで検索したりしないのだろうか。

 驚くのは、もう6年も前からずっと、「第二の安愚楽牧場」とか「手数料集めて倒産か」とか「自転車操業」とか「詐欺」とかいろいろ言われているのに(私が言っているわけではありません)、いまだに広告を出して出資者を集めていることである。
 4年前に「年内一杯で」「なくなる」という書き込みもされているが、これは明らかに誤りだったということになろう。

 問題は、私の知る限り、この投資話の危険性がまったくマスコミ等で報じられていないことである。

 いつだったか、「食の祭典」を騙った大規模な詐欺事件があったようだが、それを報じるマスコミの腰の引け方がすごかった。だれがどう見ても明らかに詐欺なのに、たとえば捜査機関が誰かを逮捕するまでは、そういうふうには一切言えないのだということがよくわかった。

 今回の件は、もしかすると詐欺ではないかもしれないので、なおさらなのだろう。私にしても、ここで固有名詞をあげるのはちょっとはばかられる(検索すればすぐわかるけど)。これを取り上げたマスコミがあったらぜひ教えてほしい。
 これでもし、運営が破綻したとしたら(たぶんする)、山のように被害者が現れて大々的な報道になるのだと思う。その多くは、もっと早く報道していれば被害に遭わずにすんだかもしれない。

 しかしながら・・・

 ネットの無責任な書き込みだが、「ここで騙されたやつは、どうせ別のところで詐欺にあうな・・・ 」「悪いこといわない。 ここで騙されたのは、もう投資とかやめな」というのは、確かにその通りなんだろうなとも思ってしまう。