■耳をすませば・・・

 車での移動中、時間が合えばラジオで語学教育番組を聞くことがある。とはいっても、ほとんどは英語だ。

 その中に、「ラジオ英会話」というのがあり、学習内容に関係なくよく使われている表現に

  Now everyone, perk up your ears for our next segment.

というのがある(と思っていた)。

  さあみなさん、耳をそばだてて次の部分をよく聞いてください。

くらいの意味であろう。

 それが今日、何の前触れもなしに、聞き流しているだけなのに、perk up が prick up に聞こえた。複数回の発音がどれも。間違いない。

 わお。今まで聞き取れていなかったのか。

 ふつうの中型辞書では、perk up に直接「耳をそばだてる」という意味は載っていないことの方が多いようだ。
 それに対して、prick up なら、ずばり、

  prick up one's ears (1)〈馬・犬などが〉耳をそばだてる.
             (2)〈人が〉聞き耳を立てる; 熱心に聞く.

という記述がある(研究社 英和中辞典)。ずっと perk up だと思っていたのが、実は prick up だったのである。

 どうして今まで聞こえなかったんだろう? そしてまた、どうして急に聞こえ始めたんだろう?
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 ・・・と思ってネットで調べてみると、perk up だと思っている人が多いような感じである。
 「該当部分が聞き取れません」への回答のほとんどが perk up、英語の講師に聞いてもらったら perk up だった・・・などなど。

 だが、prick up もあるにはある。面白いのは、最近の書き込みに prick up が多いように見えることだ。

 もしかすると、以前は perk up と言っていたのに、最近は prick up と言うようになったのかもしれないと思うようになった。でもなぜ?

 perk up を調べると、耳というよりは、「首を立てる」「頭をもたげる」さらには「元気になる」「意気揚々とする」という方向性の言葉なので、何か違和感があり、ほんとに perk up なのかなあとずっと疑問に思いながら、そう思って聞いていても perk up にしか聞こえなかったので、「耳をそばだてる」と書いてある辞書を見つけ、納得していたのだ。

 だが、今日の放送では、どう聞いても perk up には聞こえず、prick up であった。
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 事実はどこにあるのだろう。

1.ずっと prick up である。→ ではなぜ以前は perk up としか聞こえなかったのか。
2.ずっと perk up である。→ いや、今日は間違いなく prick up だった。
3.以前は perk up だったが、今日は prick up だった。→ どうしてそんな面倒なことを。
4.いずれにせよ、私の耳がおかしい。

 3なら嬉しいのだが・・・

 こんなつまらないことがとても気になります。どなたか真相を教えてください。