◆「ネイティブ」

 直前のエントリ、「謎の麗人」を書いていて思いだした。

 先日、職場の会議で2人の英語ネイティブと一緒になった。

 うち一人は以前からまあ知っている人で、今まであまり英語で話したことがない。
 もう一人は初対面で、当日、英語も日本語も話すのを聞いた。

 その初対面の人の英語が、なんかもう、絵に描いたような(というのは変だが)イギリス英語で、出身地を聞くまでもなくイギリスであることは明らかだった。

 その後、そこでの仕事が終わって、以前からまあ知っている人の方を車で送ることになり、車中、お互い妙に遠慮しながら話題を探し、日本語で会話していた。

 何の流れだったか、「ご出身はどちらですか」と聞けばいいものを、「アメリカのご出身ですか」と言ってしまった。

 「いえ、イギリスです」と答えられたときの気まずさと言ったら・・・

 その上、あろうことか、焦ってしまって、「[初対面の人]の英語がものすごくイギリス的に聞こえたので」みたいなことを口走った。

 「ああ、あの方の英語は・・・ あの方は私のような庶民とは階級が違いますから。」

 うわっ。

 「いえ、そんな・・・」とか言うしかない。

 これまで漠然とアメリカ人だと思っていたその人は、実はロンドンの出身で、家族は今ケンブリッジ近郊に住んでいるという。

 その人の英語をあんまり聞いたことがなかったとはいえ、今日だってその「階級が違」うアクセントの人と英語で会話しているのは聞いていたのだ。
 なのになぜ、アメリカ人だと思ったんだろう・・・
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 でも確かに、同じイングランドの出身とは思えないほど2人の発音は隔たっていたと思う。
 その一方がイギリス人なら、他方はアメリカ人・・・と安易に想定してしまったようだ。ロンドンの下町やオセアニアなんかのアクセントも感じなかったし。

 私が勝手に思っている典型的なイギリスアクセントというのは、たとえばヒュー・グラントのそれなので、要するにパブリックスクールからオックスブリッジへ行った人の話し方なのかもしれない。

 それに、イギリスは確かに、今もって階級社会が色濃く息づく社会のようだ。その意味では、高校・大学などだけではなく、生まれもまた、重要なのだろう。
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 「謎の麗人」も、やはり「麗人ネイティブ」なのか・・・ そうではないことを願いたい。

 いや、彼女自身は別にそうでもいいんだけど。