★アマゾン症候群とスローライフ

 先日、平和堂滋賀県を中心に、関西・北陸・東海に展開している中堅スーパーです)で「乳しぼりをした日がわかる低温殺菌牛乳」を買った。「乳しぼりから店頭に並ぶまでが」「たったの3日間! 搾乳日表示が自慢です」とある。

 これを読んで、皆さんはどう思われるだろうか。

 私は即座に、「えっ !? 3日もかかってるの??」と思った。

 牛乳に対する私のイメージは、働き者の牧場主が早朝に絞った原乳が午前中に工場へ送られて昼ごろには製品化され、夕方早いうちにはスーパーの店頭に並ぶ・・・というものだった。

 まあ、それは言いすぎだとしても、搾乳された日には製品化を終えて出荷され、夜の間に運ばれて翌朝の開店前にはスーパーに搬入されるのが当たり前くらいには思っていた。

 また別の日に買った「サロベツ牛乳」などは、原乳産地が北海道北部なので、さすがにそんなことはないだろうとは思うものの、関西で搾乳された牛乳なら翌日に店頭に並ぶのがふつう・・・くらいの感覚は間違いなくあった。

 それなのに、「たったの3日間!」を「自慢」しているのである。

 ということは、一般的な牛乳は搾乳されてから5日後くらいに店頭に並ぶのだろうか。その間、いったい何をしているんだろう? もっと急げとは思わないが、のんびりやっても経済的なメリットはほとんどないような気がするのだが・・・

 「3日もかかってすごく早いの?」「のんびりと牧歌的にやって3日くらいじゃないの?」という感覚は間違っているのだろうか?
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 以上のような感覚を、これから「アマゾン症候群」と呼ぶことにした。

 翌日配達が当たり前、お急ぎなら当日にお持ちしますよ、東京都区部では1時間!でお届けするサービスを始めました・・・などに代表される異常なスピード社会が日常化しているから、こういう感覚が醸成されるのだろう。

 でもでも・・・

 牧場育ちの子どもたちは、その昔、朝に絞った新鮮な牛乳を毎日のんびりと飲んでいたんだろうなあ、とも思う(今は同じものを慌ただしく飲んでいるだろうか)。
 
 
 地産地消身土不二スローライフと、アマゾン症候群とは、案外隣り合わせなのかもしれない。