★行き当たりばったり

 家族で行く海外旅行ですら行き当たりばったりなんだから、ひとりで行く国内旅行など、推して知るべしである。

 それにしても・・・

 ちょこちょこと道草は食ったものの、今日はほとんど移動日になり、夕刻、知床半島に着いた。
 9年前とはいえ、まだ記憶に新しいオシンコシンの滝を訪れ、さてどうしたものかと iPhone で調べると、知床五湖はまだ散策できそうであった。

 ところが、予想外に距離があり、18:30だという終了時刻を考えると慌ただしくなりそうになってきた。そんな折りも折り、電光掲示板に「カムイワッカ湯の滝まで通行可能」の文字が・・・
 たしか、前回は行けなかった滝である。最後の10kmほどがダートだということは地図でちらっと見ていたが、高原の湯や銀泉台の経験もあるし、もはや気にならなかった。

 制限速度は30km/hだったが、↑と変わらないフラットダートである。気は焦るものの、キタキツネやらエゾシカやらがわらわらと跋扈しているので、注意しながら進んでいく。
 何とか日没前ごろに到着し、説明を読んで感動した。

 なんと、滝自体(というか川自体)が温泉なのである。下の滝はわりと急だが、上の長い滝はなだらかで、登ることすらできそうだ。

 手をつけてみると、ややぬるいものの、間違いなく温泉である。

 温泉といい、優美な姿といい、かなり感動して帰途についた。
 私が最後に滝を後にすることになったので、ヒグマが出たという話を聞いた後だけに、ちょっとだけ周囲を警戒していた。
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 宿にチェックインして風呂に入り、適当な食堂がなくて結局コンビニの夕食を済ませてから再度地図を見ると・・・

 「上流の滝壺が湯船になっている秘湯」

と書いてある。えっ!? 何だって???

 急いで画像検索してみると、滝壺で楽しく湯浴みする男女の写真ばかり・・・

 なんと!、↑の写真の滝(というか川)の中を歩いて登っていくと、10分ほどで最初の滝壺に到着し、そこが湯船になっているという(そこからさらに上にもいくつか湯船があるのだが、現在は通行禁止になっているようだ)。

 いやいや・・・

 「登れそう」だとは思ったものの、まさか世界自然遺産の滝の中を歩いて登っていってもいいものだとは思わなかった。
 まして、滝壺が格好の湯船になっていて、そこで入浴できるとは・・・

 滝の中を10分も歩くことができ、たどり着いた先には温泉のご褒美!

 明日もう一度行ってみようかなあ・・・ 微妙だよなあ・・・ 何でも初めてが好きな性格だし、滝の中を歩く用意も水着もない。
 それに、あのダートをまた往復20km・・・

 今度来るときの宿題(これ、わりと好きです)にしておこうか(しかし、こんなところまでまた来るのか?)。

 それにしても、行き当たりばったりもほどほどにしないと、こんな残念な思いをすることになる。

 ただ、昨日までは自家用車通行禁止だったそうで、先に知床に来なくてラッキーだったと言えるかもしれない。
 あ、それだって、事前に調べておけばわかることだ。
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 もうすぐ10時だなあ・・・ 知床峠に星を見に行くべきかなあ・・・ どうしようかなあ・・・