◆アゲハはバリバリ葉を食べる

 庭に勝手に生えてきた柑橘系に見える木(違うんだろうけど)についていた(おそらく)アオスジアゲハの幼虫を飼っている。

 庭には3匹いた。

 息子が飼いたいというので、「すぐそこの木から離れへんねんから、飼ってんのと一緒やん」とか言っていたのだが、外に置いておくと鳥に食べられてしまうから、屋内で飼うべきだと主張する。

 だが、エサが確保できないと飼えない。まあ、庭に置いておいても同じようなものなのだが、問題の柑橘系の木というのはひょろっとした1mもない木なので、どんどん葉っぱをちぎると3匹も養えないのではないかと思った。
 以前、アゲハの餌にするためだけに、山椒の木を次々とホームセンターで購入したことがある。お金もかかるし、結構面倒だ。

 ところが、調べてみると、アオスジアゲハの幼虫が好んで食べるのはクスノキだということがわかった。クスノキなら職場に腐るくらい生えているので(しかも大木だ)、幼虫のエサになる程度の葉を確保するのは容易だろうと考え、飼ってみることにした。剪定のボランティアをしていると思えばいい。

 息子の心配は当たり、飼うときにはもう2匹に減っていた。ケースに入れ、柑橘系とクスノキの小枝を生けておく形でリビングに置いている。
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 深夜にアメリカのドラマを見ていると、なにやらバリバリと音がする。かなり大きな音がスピーカーから出ているのに、それとは違う方向からはっきりと聞こえてくるのだ。

 音の正体は比較的すぐわかったが、にわかには信じられなかった。アオスジアゲハの幼虫が葉っぱを食べる音が「バリバリ」なのである。
 あんなにぷにぷにのかわいい青虫が、こんな音を立てて葉っぱを食べるなんて、この年になるまで知らなかった。というか、80を超えたうちの父親だって知らないに違いない。

 こういうのって虫好きな人にとっては常識なのだろうか。もしかして大発見とかいうことは・・・ないよね。

※後記:聞きようによっては、「パリパリ」とか「プチプチ」とかにも聞こえる。