■固定観念の魔術

 梅雨入りした(近畿・東海が5月28日、関東甲信越が29日)というので、周囲の面々に、「5月に梅雨入りなんて記憶にある?」と聞いてまわり、自分でも「もしかすると生まれて初めてかも」とか思っていた。

 「1951年に記録を取り始めてから4番目に早い」(近畿の場合)というのだから、その可能性もあるんじゃないか、とか。

 老若男女(あ、老と言えるほどの人には聞いてないかな)、だれ一人として5月の梅雨入りが記憶にあるとは言わない。

 やっぱり・・・とか思いながら念のために調べると、なんと!

 2011年、一昨年の梅雨入りが5月22日と、今年より1週間近く早い。
 若い連中だって覚えているはずなのに、「梅雨は6月に入ってから」という固定観念が記憶を消し去ってしまうのだろうか。

 さらに恥ずかしいことに、私自身、その2年前の梅雨入りを、驚きを持ってここに記している。

 正しい記録を繙くと、5月に梅雨入りしたのは私が生まれてから今年で8回目ということらしい。しかも、うち7回は、十分に成長してから。

 うーん。こういうのってやっぱり、固定観念の魔術が記憶を消しているんだろうか。