■後輪駆動に雪

 雪が降ると、むしろはしゃいでドライブに出かけるタイプだが、もちろん街中へは出ない。

 無自覚な自爆ドライバーたちが、いつどこから突っ込んでくるかわからないからだ。

 その点、雪の多い地方へ出かけるほうがまだ安心である。
 それでも先日、滋賀県北部の湖北の方へ行ったときですら、スピードが速かったり車間距離を十分に取らなかったりする輩がいてひやひやさせられた。

 いろんな被害に遭った方々には申し訳ないけれど、「都会に大雪」みたいなニュースは大好きだ(そういうやつが多いからテレビ局も張り切るのだろう)。
 昨日は5つぐらい録画して、今日にかけて興味のあるところだけ片っ端から見た。ソファに座ってるのもしんどいというのに、何をやってるんだか。

 おきまりの、「スリップで前に進めない車」というのがたくさん出てくるのだが、トラックを除けば、そのほとんどがベンツと BMW であるのが面白かった。あと、クラウンもあった。

 さすが東京、金持ちが多いなあと思ったのだが、それよりむしろ、後輪駆動車がもうそのぐらいしか残っていないからかもしれない。見た範囲では、前輪駆動車が前に進めなくてタイヤ空転・・・という映像は一つもなかったと思う。
 まあ、恣意的に高級車ばかり撮してるのかもしれないけれど。

 一方で、通行止めになった中央高速入口の前を華麗にUターンしていく黒のレガシィはかっこよかった。
 もちろん4WD(スバル流にいえばAWD)で、4輪スタッドレスなんだろう。それにしてもちょっとスピードを出し過ぎだろうとは思ったが。

 不思議なのは、ベンツやらBMWやらの後輪が、派手に空転していることである。
 DSCとかESPとか呼ばれるESC装置(って、興味ない人には何のことかわかりませんよね、日本語では「横滑り防止装置」と訳されています。下手くそな訳ですけど)はついていないのかな?

 先日湖北に行った際、安全な広いところで思いっきりアクセルを踏んでみたのだが、みごとに ESP が介入して、実にゆっくりしずしずと、まっすぐ!前に進むのには感心した。何も考えずにアクセルをラフに扱ってもぜんぜん大丈夫そうだった(もちろん、そんなことはしませんが)。

 ABS(Antilock Brake System)の方は、もちろんちゃんと効くのだが、同じような状況下でガツンとブレーキを踏むと、タイヤと路面の間の摩擦が物理的に足りないので、ずるずると前に滑っていってしまう。それでももちろん、まっすぐ止まるのには感心した。

 一度、広大な駐車場で車を振り回してみたのだが、思ったほど振り回せないのに驚いた。
 え? 何で? と思ったが、もちろん ESP が介入して、滑らないようにしているのである。今度は切ってやってみよう。

 あんな高級車たちが、凍結もしていない道で無駄にキュルキュルキュルキュル後輪を空転させているのを見ると、そういうところにこそお金を使えよなと思ってしまう。
 私の車には問答無用で装備されていた ESP が、もしかしてオプションなのだろうか? それとも、後輪駆動だと ESP がついていてもあんなものなのだろうか。

 あ、もちろん、ノーマルタイヤを履いてチェーンも巻いていないのが一番悪いんでしょうけど。