■素晴らしい時代?、素晴らしいマシン

 ここに書いたかどうか忘れたが、この夏、可能ならば中央ヨーロッパに行くことにした(あ、今思い出した、書いた)。

 可能ならばといっても、すでに航空券を買ってしまったことでもあり、何としても可能にせねばならない。
 昨日(録画で)見た「探偵! ナイトスクープ」に、「このために働いている」といって毎日酔いつぶれるまで酒を飲んでいるオッサンが出てきたが、もしそういうものが私にあるとすれば、それは旅行することだ。

 現状では、往復の航空便が決まった以外、まったく何の計画もない。『地球の歩き方 中欧』を買いはしたものの、ほとんど読んでいない。
 どこへ行けばいいんだろう。行くにはどのぐらい時間がかかるんだろう・・・

 家にあるヨーロッパの道路地図で中欧をカバーするのは、縮尺が100万分の1のおおざっぱなものだけである。買わなければならないのだが、amazonとかで見ても実際どんな地図かわからないので、実物を見るためにジュンク堂にでも行こうかなあと思っていた。
 ただ、行ってもあるかどうかわからないし、これまでみたいに現地に着いてから本屋で買ってもいい気もする。しかし、言葉がまったく通じないかもしれない国のドライブ(束の間のオーストリアの後は、たぶんいきなりのスロベニアになる)を、地図なしで始めるのもちょっとどうかと考えていた。
 ___

 そんな折り、待ち望んでいた iPad 用オフライン日本地図(MapFan)がいつの間にか発売されているのを知った。これでネット環境がない場所でも困らない。しかも特価で900円!

 たった900円で、日本全国の地図を自由自在の縮尺で見ることができる。本で揃えたら、どれぐらいの価格とどれほどのボリュームになることだろう。
 いや、何しろ、日本全国一画面表示から私の家が見える縮尺まで、無段階で表示できるのだ。理論上、紙の地図ではどれほどたくさん揃えても無理なワザである(冊数が無限大になってしまう)。
 ___

 日本にこれがあるんだから、ヨーロッパにだってあるんじゃないかという気はしていた。でも、これだって出たばかりだし、なくても不思議ではない。だめ元でと検索すると、もっとすごいものが見つかった。

 1万500円とか7千800円とかのがあって、それを買おうか、でも、試しに買ってみるには高いなあと思っていたところ、なんと無料で存在したのである(Europe - Offline map with directU)。

 まさか、こんなものが無料で手に入るなんて予想もしていなかった。半信半疑でいろいろ使ってみると、紛れもなく、ヨーロッパ全土で住宅地図レベルの縮尺までをカバーしている。アイスランドでさえ。

 いくらか問題もあるようだけれど、縮尺自在でこれだけの情報が得られれば文句はいわない。↑の7800円のナビゲーション地図を買ってもらうための広告の役割を果たしているようだが、地図としてはこれで十分である。

 驚異の廉価や無料ワールドは喜ぶべきことだけれど、こういうのが出てくると、大昔に患っていた「ソフトウェアは無料(ないしはもっともっと廉価)でなければならい」という妄想病がまたぶり返してきそうで怖い。努力やコストにはそれなりの対価が支払われてしかるべきである。

 まあ、あるものはありがたく使わせていただくわけだが・・・


 (追記)
 いまたぶん、フランス・ドイツ・イタリア・イギリスの比較的詳しい道路地図が家にある。旅先でほとんどお土産を買わない私にとっては、貴重な思い出の品だ。今回の旅行でそういうものがなくなると思うと、ちょっと寂しい。