●取締役を解任?

 報道各社によると、渡辺恒雄球団会長を公然と批判した清武英利球団代表兼ゼネラルマネジャーを巨人が解任したという。
 取締役解任後は巨人軍の敷居もまたがせないそうだ。

 新聞にもネットにもさらっとそう書いてあるので疑問に思った。
 いくら取締役会が議決したところで、専務の職を解くことはできても、取締役を辞めさせることはできないはずだ。取締役の解任には株主総会での議決が必要である。

 その点に触れている報道が見当たらなかったので、なんだかすごく居心地が悪かった。

 調べてみると、どうやら、清武英利氏が所属する「株式会社読売巨人軍」は、読売新聞グループ本社の完全子会社らしい。
 すなわち、読売新聞グループ本社が100%の株を持っているため、読売巨人軍はグループ本社取締役会の決定でどうにでもできる存在だということのようだ(これって国民周知の常識なんですか?)

 であれば、子会社の専務が親会社の代表取締役会長・主筆(しかも名だたる独裁者)に楯突いたところでどうにもならないのは目に見えているではないか。
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 告発をぶち上げれば世論も味方して内部の仲間も結集し、何とかなると思ったのかもしれない。

 実際、私自身もわけもわからず(半ばおもしろがって(すみません))喝采とエールを送っていた。

 だが、報道も世論も思いのほか冷たく、内部の面々に至っては、消極的支援すらまったく見えず、むしろ後ろから鉄砲を撃つような発言ばかりが目についた。

 まあ、わからないでもない。みんな自分の身が可愛いのだ。勝算もなく独裁者に刃向かえる人物がそうそういるわけもない。
 結局のところ、清武氏は憐れなドンキホーテだったということだろうか。
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 ・・・と思っていると、実は清武氏自身もけっこう理不尽な独裁者なのだという報道を複数目にした。

 実際のところはわからないが、だとすれば、下剋上による世代交代をもくろんだ独裁者同士の争いなのかもしれない。
 解任された清武氏も、弁護団を結成して徹底抗戦するらしい。しかも、「隠し球」を持っているというのだ(zakzak.co.jp)。

 無責任な外野は、もうしばらく楽しめそうである。