■氏名か名氏か

 ふだん、平日の午後2時ごろに車に乗っていることがある。何だか営業マンみたいだ。

 車の中ではラジオを聞くことが多いのだが、2時からはめぼしい番組がないので仕方なくNHK第2放送で Radio Japan を聞いている。英語で放送しているニュース番組だ。

 その中で、日本人に言及するときは、ヨシヒコ・ノダ(佳彦野田)のように、名氏の順で呼んでいる。ところが、韓国人だと、イ・ミョンバク(李明博)とかパン・ギムン(潘基文)のように、本来の氏名の順になっている。
 中国の要人も同じで、フー・チンタオ(胡錦濤)とかウェン・チアパオ(温家宝)だ。ベトナム人だって、おそらくはホー・チミン(胡志明)式だと思う。

 近年は、日本の中学校の英語教育でも、たとえば I am NODA Yoshihiko. と、氏名の順に話すよう指導しているらしいが、ここで問題にしたいのはどちらが適切かということではなく、同じ英語ニュースの中で日本は逆順に、韓国や中国は正順に呼んでいるという点だ。

 やっぱりそれは妙なので、どちらかに統一した方がいいんじゃないかと思う。

 まあ、そういうことをNHKに言っても(説明や反論以前に)そもそも真面目に聞いてくれなかった経験があるので、ここに書くだけにしておく。

 でも、日本だけ氏名がひっくり返されてしまうのはどうしてなんだろう? 日本人がとりわけ「自主的に」ひっくり返して英語話者におもねった歴史があるからだろうか(あるのかどうか知らない)。

 今回の訪韓でいただいた韓国人の名刺8枚を見ると、ローマ字表記のほうは6人がイ ミョンバク方式、2人がミョンバク イ方式であった(日本人にも1人だけいただいたが、それは、NODA, Yoshihiko 方式だった)。ハングル表記のほうはもちろん全員がイ ミョンバク方式である。
 偏った少ないサンプルなので、それで何が言えるわけでもないけれど。

 みなさんの名刺はどうなってますか?