★Over the Pacific vol. 5 1ドルコインの入手方法

 アメリカに来るのはたぶん4度目だと思うのだが、1ドルコインというものに一度もお目にかかったことがなかった。50セントのコインも同様だ。ガイドブックにも、滅多に目にすることはないと書いてある。
 昔、実家になぜか50セントのコインがあったのだが、あれは今もあるのだろうか。かなり珍しいのではないかと思う。
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 シアトルの空港からダウンタウンに行くのには、新しくライトレイルトランジット(まあ市電ですね)ができていて、2ドル75セントで中心地まで運んでくれる。サンフランシスコは8ドル以上したので、それと比べると相当安いと思うが、この1月だかまでは2ドル50セントだったらしい。

 私は海外では基本的にクレジットカードを使うのだが、一緒に行った同僚が現金を入れて自動販売機で切符を買うと、お釣りがコインで出てきた。それが見たことのない金色がかった綺麗なもので、なんと1ドルコインだった。思わず「それ、一枚ください」と言うとあっさりくれたが、自分が「お金をくれ」と言っていることにすぐ気づき、1ドル札を返した。いいよいいよというのだが、もちろんそういうわけにもいかない。

 さて、その1枚を後生大事に持っていたのだが、2日後にまた空港に戻るとき、茶目っ気を出して20ドル札を入れて切符を買ってみた。お札まじりでお釣りが出てくるのかと思っていたら、まるで大当たりのスロットマシン(経験ないけど)みたいな勢いでじゃらじゃらとコインが出てきて当惑した。ぜんぶ集めてポケットに入れるのさえ大変な感じである。数える気もしない。

 あとで見てみると、当然のことだが、1ドルが17枚と25セントが1枚だった。しかも、その1ドルコインには、新旧少なくとも3種類のものが混じっていた。まだ子細に観察していないが、昔の銀色のもの、新しい金色がかったもの、さらに新しい、側面に年号が刻印してあるものがある。

 何だか嬉しくて、記念にぜんぶ持ち帰りたくなったが、重くてかさばるのもあって、重複した図柄のものを中心に、シアトルの空港での昼食に使ってしまった。それでもまだ7枚持っている。あれ?11枚も使ったかなあ・・・
 その後、例の黒人の運転手にあげようかとも思ったが、図柄がぜんぶ違うのと、コインをあげて25セントだと誤解されても嫌なので(笑)結局あげなかった。

 1ドルコインが欲しい方は(いるのか?)、シアトルの市電の切符を現金で買うことをお勧めする。