●自転車で昼食へ

 例によってこの土日も家人は仕事なので、今日は息子とふたりで自転車に乗って昼食に出かけた。

 これまで、ほぼ必ず「自転車で行ってもいいんだけど・・・」とか考えながら、結局は考えるだけで毎回車で出かけていたのだが、その車がはるか下北半島にある以上、仕方がない。

 帰ってきたアラメゾンか、天下一品のラーメンかという感じだったが、アラメゾンのランチを見るとお気に入りのはスパゲティになってしまう(昨夜も私が作ったスパゲティだったのだ)ので、いったんは天下一品に決めて自転車を駐めた。
 ところが、なんと店内には席が空くのを待っている人たちがいたので、すぐ諦めてアラメゾンにとって返した。

 以前もそうだったが、マスターはおらず、女性が一人でやっている。だれも客はいないのかと思ったら、奥に2人だけいた。天下一品とえらい違いである。
 ここは間違いなくおいしいし、880円のランチはコストパフォーマンスだって高いと思うんだけど。
 今日のメニューは、ポークソテー・ロールキャベツ・鱧のペペロン・ベーコンと高菜のパスタ・鶏肉の肝ソースから一つ選択という感じだった。

 結局、ふたりとも「名残の鱧のペペロンチーノ」にした。スープとパンもついてくる。息子は前菜とドリンク付きにして、ドリンクは私がもらった。80円余分に払って頼んだカプチーノは、ふつうのコーヒーよりおいしかった。
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 これまで、息子とふたりや家族3人で自転車に乗ると、私だけが速いのが常だった。

 今日は、行きはほぼ同じペースで、帰りはむしろ、息子の方が速かった。

 自転車の性能はこちらの方が上だし、経験もいくらかは上だ。急な下り坂を利用して一気に距離を詰め、ハナの差ぐらいまでに並んだのだが、そこからの上り坂で置いていかれてしまった。
 もっと必死で本気を出せばどうなったかわからないが、息子の方だって別に競走していたわけではないので、素直に負けを認めざるを得ない。

 思えば当たり前なのである。赤ちゃんだった息子も、もう高校3年生。同学年の謎の美少女と比べれば中味はまだほんの子どもだが、ほぼ毎日自転車で通学もしているのだ。くたびれかけた父親が、生きのいい男子高校生に勝てるわけがない。ママチャリに乗った女子高生にだって勝てるかどうか・・・

 でもまあ、身長も低いままだし力だって弱い。運動も相変わらず苦手である。そんな息子に負けることができて、嬉しいのが父親なのだ。