●ポイントカード禁止法を

 いつもの安い理髪店に行って会計をする時、「これ、お渡ししてましたっけ?」と言われて「いいえ」と返事をすると、ポイントカードを渡された。
 何でも、12回ハンコを押してもらうと、カットが1回無料になるのだという。

 そんなことをするよりも、カットを100円値下げすればいい。その方が店の持ち出しは少なくなるし、こちらの手間も省ける。
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 先日は、初めて行った中華料理屋でランチを食べて、やはりポイントカードをもらった。
 たまに行くコンビニでも、毎回、「カードはお持ちでしょうか」とか聞かれる。
 ラーメン屋でもケーキ屋でも、もちろん電器屋でも・・・

 カードがないのが取り柄だったケーズデンキまで、「あんしんパスポート」というカードを作らされた。これはポイントカードではなく、その場で3%値引きしてくれるカードであるが、無駄なコストと手間暇をかけている点では同じことだ。

 ほとんどの店でカードは作らず無視しているが、もし律儀に作ったら、あまり買い物をしない私でも、すぐに50枚ぐらいにはなりそうである。
 そんなもの、いつも持ち歩いていてささっと取り出せる人がいるとはとても思えない。
(今、財布の中を数えると、カードが20枚以上あった。キャッシュカードやクレジットカード、免許証や職場の鍵、図書館のカードやコピー機のカード、会員カードやICOCAその他、必要なものがほとんどである。これにポイントカードなんか加えたら、下手をすると100枚近くになるのではないだろうか)
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 問題なのは、カードを作らないでいると、カードシステムのコストや他人へのサービスの分まで負担させられていることになる点だ。
 まあ、たいていはすっぱりと諦めているが、よく行く店だとたとえば5%ぐらい常に余分に払っていることになりかねない。先日の理髪店だと8%近くになる。

 それに、毎回毎回、「カードはお持ちでしょうか?」「いいえ」「お作り致しましょうか?」「けっこうです」という会話を繰り返すのも面倒だ。

 ケーズデンキに行くと、「大切な現金で、ポイントを買っていませんか?」という放送をしているが、まさにその通りなのである(放送はうるさいのでやめてほしいけど)。
 あの意味がわかる人が日本にどれぐらいいるのだろう? おそらくは多くの人が理解していないからこそ、これほどまでにポイントカードが隆盛を極めているのだと思われる。
 そのケーズも、ポイントカードではないものの、それに代わる現金値引きカード発行に踏み切ってしまった。
 「カードによるおトク」を求める人たちには勝てなかったということか。

 無闇なカード発行が現実の集客にプラスになっているとすると、もはや自然淘汰は期待できない。ここは一つ、「ポイントカード禁止法」を作って、世の中からあらゆるポイントカードに類するものを一掃すべきだと思う。
 次の参議院選挙では、それを公約にした政党に投票したい。何党でもいいから、考えてくれないだろうか。

 日本中で無駄なコストを産んでいるし、なんといっても煩わしくて仕方がない。