■物持ちのいい家族

 休暇最終日。

 家でのんびり映画でも・・・と思っていたが、結局は電子レンジの買い替えを検討したり、掃除したり整理したりゴミ出ししたり、クリーニングに出していた服を取りに行ったりして終わってしまった。
(VHSのビデオテープをほとんど捨てた。時の流れは残酷だ。)

 大晦日の22時過ぎだって、掃除していたのである。まあ、(しないと決めた仕事を除けば)ほかにすることもなかったけれど。

 電子レンジは初めて買ったものをいまだに使っている。まもなく満23年になるが、一度も故障したことがない。経験的にしか言えないのだけれど、1980年代後半の家電製品はほんとうに優秀だと思う。
 同じころに買ったラジカセも、つい先日まで現役だった。今はテープもCDも壊れ、ただのラジオになってしまっているが、おそらくはドライブベルトかなにかを替えるだけでまた甦るに違いない。諸般の事情を鑑み、さすがに修理しようとは思わないが。

 電子レンジや炊飯器がすごいことになっているのは横目で見ていたが、真剣に購入を考え始めると大変である。さんざん検討した末、結局は安いのを買うことになりそうだ。
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 うちはだいたい、壊れたり破れたりしてどうしようもなくなるまで、モノを買わない。先日も、シャツが派手に破れてくれて、やっと捨てることができた。そして、捨てるといっても雑巾になるのである。
 ワンガリ・マータイさんに改めて教えてもらうまでもなく、「もったいない」精神がしみついているのだ。

 だが、いくら何でも、息子が小学校3年生の時に買ったジャンパー?をいまだに愛用しているのには閉口する。もう高校2年生なのに。
 確かに大きめを買ったし、身長の伸びもはかばかしくない。それでもさすがに、かなり小さい。
 まあ、思い出深い品だし、モノを粗末にするよりはいいと思うしかない。
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 電子レンジはまだ使えそうだが、家人が「ごくたまだけど妙な臭いがする」というので、買い替えることにした。電子部品だって劣化しているだろうし、火を噴いたりしてからでは遅い。

 もし今度も20年使うとすると、年金生活が始まっているかもしれない。今はしない料理のことまで考えて買っておくべきか・・・とはさすがに思わないが、庶民は20年先を見て安い電子レンジを検討するのである。

 この国を動かしている人たちは、せめて5年先を考えて行動してほしい。