★家宅捜索はやり過ぎ
SMAPのメンバー草なぎ剛(「なぎ」は「弓へんに剪」)氏が、公園で全裸になって奇声を発していたとして逮捕されたという。
褒められたことではないし、泥酔しているからといって全裸で騒いでいる人がそうそういるとも思えないが(いや、もしかしたら、結構いるけれど、保護されるだけでニュースにならないのかもしれない)、ことさら女性に対して裸になって見せたわけでもなく、単に酔っていただけであることを考えれば、いかにも騒ぎすぎである。
警察も警察だ。
服を着なさいと言っても聞き入れなかったというのが事実なら、逮捕自体はやむを得ないかもしれない。
しかし、この件で家宅捜索まで行ったというのはいかにもやりすぎである。ほとんど人権侵害ではないかと思う。
芸能人だし、麻薬でも持っているのではないかという憶測からのことだろうが、何か口実があれば無理矢理家宅捜索までしてしまう警察のやり方は、いかにも恐ろしい。
そもそも、尿から薬物反応は出ていないのだ。
以前にも、勤めていた学校の卒業式で君が代斉唱の際に起立しないように促そうとした元教諭が、開式前に退席したにもかかわらず、威力業務妨害だとかの嫌疑をかけられて家宅捜索までされたことがある。
その時も今回も、もちろん何も出ない(もちろんと書いたが、家宅捜索されて何も出ないというのは、相当に清廉潔白な人たちかもしれない)。
こういうのは明らかに警察の汚点だ。
家宅捜索などというものすごい強硬手段に出るためには、それが必要だと誰もが納得できるような犯罪容疑が不可欠である。
同じ23日で言えば、大阪市の西淀川区で女の子が行方不明になっている事件で自宅の捜索がなされている。
公開捜査から2週間、何らかの容疑が濃厚になったために、慎重に判断した上で思い切った決断がなされたものと推察される。
そういうのではなく、酔って全裸になっていたとか、大人しく何かを呼びかけたとか、その程度のことで、まるで悪質な嫌がらせのように家宅捜索をしたりすると、善良な市民の警察への信頼を失う。
権力の濫用は厳に慎むべきである。