■遠い夜明け
これも、デンゼル・ワシントンが出ている未見の映画を探していて見つけた。
今までこれほどの映画を知らなかったとは・・・ 邦題に聞き覚えはあるけれど。
いったい、ほかにどれほど、私の知らない名作が眠っているんだろう?
アパルトヘイト下の南アフリカを描いた映画で、実話をもとにしている。
全編これ、恐怖や不安や怒りや絶望やらが渦巻く中に、大きな感動とほんの少しの希望が通奏低音として流れ続けている。
後半には、できのいいサスペンスにもなる。
こんなことが1990年代に入るまで続いていた事実には、あらためて慄然とする。
映画の最後、多くの「マンデラたち」の名前が流れた。マンデラその人は獄中を生き延び、新生南アフリカの大統領にもなったが、その他のマンデラたちは志半ばにして殺されていったのだ。
この映画が作られたとき、わずか数年後にマンデラが大統領になると予想していた人がいただろうか。
(Cry Freedom, 1987 U.K.)