■前向きな?出費

 故障修理やら給湯器買い換えやらタイヤ交換やら保険やら車検やら、義務的な出費ばかりが続いていたが、久しぶりに前向きな?出費をした。

 そうそう、大阪府だったか大阪市だったか(どちらか忘れてしまうところが、きちんとした citizen になれない所以ですね)、予算に占める義務的経費が 99.9 %だとかで、自由に使える予算の率が最低だとかいっていた。そんな経済状態でどうやって運営していくんだろう?
 あ、政令指定都市で最低といっていたような記憶があるので、大阪市ですね。

 うちの家計は幸いそんなことはないが、なかなか自由にお金を使うという精神状態にはなれない。

 今回も、「思い切って」「初心者用の」デジタル一眼レフカメラを買った。キヤノンEOS Kiss X2 である。
 もちろんほんとはもっといいのが欲しいのだが、予算の問題もあるし、何よりも大きすぎて重すぎるのが許せなかった。このぐらい小型軽量にしてくれたら、次はいいのを買うので、がんばってください > メーカ様

 家人のを借りて使っていた同じキヤノンのコンパクトデジカメ(PowerShot S5 IS)と比べると、何よりも小気味よく決まるオートフォーカスと連写能力がぜんぜん違う。
 ファインダも、初代 X よりは格段によくなって、わりとしっかりと見える。
 ところが、コンパクトデジカメの癖で、「ファインダに見えているように写る」と思ってしまうのが大間違いなのである。当たり前のことだが、デジタル一眼のファインダを通して見ているのは、写真に写る映像ではなくて実際にいま光学的に見えている風景なのだ。

 そんな当たり前のことを忘れそうになるほど、コンパクトデジカメに思考が汚染されてしまっていた。なにしろ、先述の PowerShot は、(大きな液晶画面ではなく)ファインダを覗いてすら、見えているのは液晶画面で、そこに映っているのは記録される映像なのである(画素数なんかはもちろん違うけど)。

 ・・・というわけで、ファインダを覗いて綺麗に見えている被写体は、実際に写真になってみるとぜんぜん大したことはない。試しに鳥なんかを撮ってみても、私の鑑賞眼ではコンパクトとの違いがわからない。

 買った日には月を取り比べてみた。三脚固定・セルフタイマーだから手ぶれとは無縁である。それでも、強いていえば色収差に違いが出ているかな、という程度で、クレーターの描写などはほとんど区別できないほどである。

 やはり、50万円とかのカメラを買って、150万円とかのレンズでもつけないと、「素晴らしい」とうなるような写真は撮れないのだろうか。
 うん、確かに、レンズ2本つけて10万円もしませんよというようなカメラの描写力に期待する方が間違っているのだろう。

 それでもなお、胸のすくようなオートフォーカス、目の覚めるような連写には感激する。

 いずれにせよ、感受性や腕のことは棚に上げているのだけれど。