★出会いというもの

 昨夕、白馬大雪渓からの帰り、ほぼナビの指示に従って長野市街経由で戻る。

 こんなに大きな街だったのかとちょっと驚く。お盆も終わって平日に戻った夕刻でもあり、やや渋滞気味。

 市街を抜け、郊外にさしかかったころ、家人が目をつけた寿司屋に入った(その後、家人好みのこじゃれた洋食屋が道路沿いにいくつかあって悔しがっていた)。

 回転じゃないと思っていたら実は回転だったが、寿司は(おそらく)すべて職人が握っている中間的な店である。
 東京築地直送をうたい文句にしている店で、そこまで言うのはどうかと思うが、長野市郊外の回転寿司としてはまあ上出来の部類だと思った。

 店を出たとき、電線に大きめの鳥が止まっていて、ガーガーとやかましく鳴いているのを目撃。

 それが何と、まだ見たことのないオナガであった。

 関東では珍しくもない鳥なのだそうだが、関西にはいない。日本も広いのである。

 長野にいるのかどうかは知らなかったが、大きな鳥が数羽の群れでやかましく騒いでいるのを見ると、けっこう当たり前に存在して、嫌われたりもしているのではないかと思われる。

 だが、われわれには何しろ初めての鳥。寿司屋の駐車場で人目もかまわず(というほど誰もいなかったが)双眼鏡とカメラを振り回す。
 一応、オナガに見える写真は撮れた。

 この10日足らず、多くの日は鳥を求めて山野湿原を徘徊したが、たとえば大阪では珍しいゴジュウカラがそこら中にいたりはするものの、初見の鳥を見ることはなかった。

 なのに、市中の回転寿司屋の駐車場で、鳥見のことなんか考えておらず、したがって鳥なんか探してもいないときに、向こうから見てくれとばかりにやってくるのである。

 出会いというものを思う。人間世界も同じようなものだろうか。

 ♪縁あるひと 万里の 道を越えて ひきあうもの
 ♪縁なきひと 顔をあわせ すべもなく すれちがう