●今度は化学

 仕事で疲れてソファーに横になり(座る気力がないときにそうする)、録りためたバカ番組でも見て疲れをほぐそうとしていると、高一の息子が、化学を教えてくれとやってきた。
 何でも、明日化学の期末試験があるのだが、さっぱりわからないというのだ。

 化学???

 そんなもの、私だって高一の時にやって以来、まったく縁がない。つまりは、30年ほどのブランクがある。

 案の定、いきなり問題を見ても何のことやらさっぱりわからなかった。息子に教える前に、まずこちらが理解する必要がありそうだ。

 アボガドロ数とか1モルが何リットルとか、分子量がいくらとか、原子の数がいくらとか、1gあたりに原子は何個あるかとか、水素原子1個の質量を計算せよ!とか、そういう問題である。
 個々の単語に覚えはあるものの、何をどう計算していいのやら五里霧中だ。だいたい、計算自体苦手なのである。

 だが、問題集の最初の解説を読むと、何ということはない。実に単純ではないか。
 知らない「事実」は教えてもらい、考え方は教えながら息子と一緒にどんどん問題を解いているうちに、自分が高一だった時よりよくわかるような気がしてきた。

 息子の方は、比の考え方や、10の何乗とか、1gあたり・・・といった概念がかなり曖昧である。そんなところでつまづいていては、できる問題も間違えてしまう。

 そういう点も叱咤激励しつつ、2時間ほどもかかって問題集3ページを制覇したとき、疲れ切っているのを自覚した。
 しかし、慣れないことに頭を使い、アドレナリン?やらエンドルフィン?やらが出ている間は、疲れを感じていなかった。

 せっかくのくつろぎの時間を台無しにされたが、久しぶりに息子の勉強に真剣に取り組んで、父子で楽しい?時間を過ごせた気がする。

 これで疲れなんか吹っ飛んだ・・・というほどには、センチメンタルでも浪花節でもないけれど。

 それにしても、ふだんから勉強時間だけはやたらに長いくせに、試験前日の夜になって「さっぱりわかならい」と言ってくる息子よ。オマエは大物になるのか、それともアレなのか・・・