●春なのに

 1週間あまり更新していない(気にしている人はほとんどいないと思うけど)。

 先週の前半は、職場で大事なキカイが故障して、その対応だけでほぼつぶれてしまった。水曜の午後に打ち合わせと会議があった他は、連日、夜まで作業や連絡に追われていた。
 その間に予定していた仕事はまったくできなかった。

 にもかかわらず・・・

 後半は、飛騨と信州に旅行し、郡上八幡新平湯温泉新穂高・飛騨高山を訪れるとともに、移転した清水牧場に初めて出かけた。
 前日の夜も更けてからネットで宿の予約を取ったのだが、到着時の若おかみの反応から推して、そんな客は滅多にいないらしい。どこに行くか決めたのも前日の夜なのだから仕方がない。いつものようにいきあたりばったりである。

 「清水牧場チーズ工房」は、以前仕事関係でお世話になった清水さんご夫妻がやっているフランス風の牧場&チーズ工房である(残念ながら、雪に覆われていてほんとにフランス風かどうかはわからなかった)。そこには当日の朝電話した。
 日本で1〜2を争うというおいしいチーズを真剣に追究していらっしゃるのだが、残念なことに、チーズがだめな私にはその良さがわからない。だが、牛乳やヨーグルトは確かに本物ですこぶるおいしい。

 冬には人が入ったことがないとかいう山奥に移転したので、いろんな意味で大丈夫なのかと心配していたのだが、まったくの杞憂だったようである。特に心配していた「経営的にやっていけるのか」というのは、とっても失礼な話で、春から秋にかけてはむしろお客さんが多すぎて困っているほどだそうだ。

 誰がこんな山奥(女工哀史で有名な『あゝ野麦峠』の信州側)まで、わざわざチーズを買いに来るのか。

 はるか山裾の方から「この先冬期通行止(清水牧場には行けます)」と書いた看板があり、次に「ここから通行止(清水牧場には行けます)」を過ぎて、いよいよ雪の壁で道がデッドエンドになるところから、「←清水牧場」の看板を頼りに、雪の残る未舗装の脇道を数キロ走っていくと辿り着けるというような場所だ。

 実際、その2つ目の看板以降は、冬期には誰も足を踏み入れたことがなかったとかいう世界なのである。
 (ただし、ウェブサイトから想像するよりははるかに行きやすいです。雪さえなければスポーティカーでも十分行けます。フェラーリとかはやめた方がいいかもしれません)
 (後記:完全に舗装されてフェラーリOKになりました。雪のあるときはご注意ください。)

 だが、わずか1時間あまりの滞在の間にも2組の客があった。ホンモノの力、恐るべし。
 念のため、主力はあくまでも通販にする予定で移転しており、もちろん今でも通販をやってます。チーズ等がお好きな方はぜひどうぞ。

 あ、いつの間にか清水牧場の話になってしまった。これについては、またいつか改めて書きたい。いずれにせよ、清水夫妻が「はづかしき」人であるのは確かである。
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 新穂高はすごかった。これ以上望めないほどの完璧な快晴で、遠く白山までがくっきりと見える。西穂や焼岳、槍ヶ岳などは双眼鏡で手に取るように見え、西穂山頂付近を歩く人の服とリュックの色までわかる。

 ここへ来るのは二度目なのだが、前回は樹林帯を歩いてコルまで行った記憶しかない。天気はよかったと思うのだが(コルから上高地が見下ろせて絶景だった)、こんな大パノラマはまったく覚えていない。もしかすると、ハイキングに気を取られていて、ロープウェイの駅屋上の展望台に行かなかったのだろうか。なにぶん、昔のことで思い出せない。
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 帰ってきた次の日、日曜日は探鳥会。カワセミをじっくり観察。また、久しぶりにアオバトを見た。
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 さて、「春なのに」。

 職場のとっても大事な機械の故障は「電源が入らない」。
 買ったばかりの私の携帯の故障も「電源が入らない」。
 給湯器(特に床暖房)も「電源が入らない」。

 同じ時によくもこれだけ重なるものである。

 給湯器はそろそろ寿命だそうで、この際買い換えようと思うと35万ぐらいはかかるという。

 そんなことより、息子が第一志望の高校を落ちて、あの雪の日に受験した私学に進学することになった。その精神的ダメージもさることながら、学費が年100万超。

 あと、ここには書けない事情で(いや、べつに、家人に言えないことではありません)それどころではないものすごいことに・・・

 なんかもう、いっそのことすっきりしたという感じがするほどだ。

 私も息子も心機一転、身辺を整理して(比喩的な意味ではなく、モノを処分したり片付けたりするということです、念のため)4月から新たなスタートを切りたい。