■灰皿だらけのラーメン屋にて

 お昼のピーク時をやや過ぎた、土曜のラーメン屋。おいしいという話を聞いて、初めて入った。

 ところが、カウンターやテーブルの上には灰皿が並び、店の奥にタバコの自動販売機まであるような店。う、やってしまったのだろうか・・・

 店はほぼ満席で、入店した時には名前を書いてしばらく待たされた。われわれ(例によって私と息子の2人)がいる間中、ほどよく満席が続き、出るころには空席も目立ってきた、そんな入り具合。

 店内にいたお客は、のべ40人といったところか。

 それでいて、誰もタバコを吸わないのである。見渡したところ、灰皿が使われた形跡もない。その都度取り替えているのかもしれないけれど。

 もともと非喫煙者ばかりなのか、周囲で食事している人に配慮してなのかはわからない。
 いずれにせよ、いい世の中になったものだ。

 これなら、全面禁煙にしても問題ないのではないか。こんな灰皿だらけのラーメン屋でさえも。

 と思っていると、カウンターの隅に座っていた初老の男性がやおら立ち上がり、自動販売機でタバコを買って席に戻った。
 店員に何やら言って、店員が「はい」と返事していたので、おおかた「タバコを吸ってもいいよね」とか何とか言っていたのかと思ったら、店員がライターを持って戻り、火をつけてあげていた。「火を貸してくれる?」だったのだろうか。

 タバコも火も持たないでラーメン屋に来て、自動販売機でタバコを仕入れて吸うというのがちょっとした驚きだった。
 食後の一服らしい。おいしいんだろうなあ・・・

 われわれは出ていく間際だったし、おじさんとは離れていたので実害はなかった。

 しかしながら、伏兵がいたことに違いはない。

 今度来た時、狭いカウンターに座らされて、隣でタバコでも吸われた日には、とても食事どころではなくなってしまう。
 さすがに、あの狭いカウンターで隣に他人がいる時にタバコを吸う人はもういないだろうか。

 いやいや、油断はできない。チャーシューが立派だったし、息子は気に入ったみたいだけれど、もう一度足を運ぶにはためらいを感じてしまう。

 せっかく、ギョーザ無料券をもらったのに(笑)