◆さようなら、自由な空。こんにちは・・・

 神戸空港が開港した。もうこれで、明石海峡大橋のすぐ上は永遠に飛べない。

 こんなことなら開港前にもう一回飛んでおくんだったと思っても後の祭り。3月中旬から軽飛行機への自粛要請も解けるので、神戸空港そのものに離着陸することでよしとするしかない。

 それにしても、この狭い空域に3つもアクティブな空港が存在するのは予想通り面倒なことになりそうだ。神戸空港の離発着コースは、関西空港のそれと綺麗に重なるし、伊丹を離陸した飛行機は、多く神戸空港の離発着機と並行することになる。

 飛行機ゆえ、左右だけではなく上下に避けることができるのが救いだが、その高低差は1000フィート(約300メートル)に過ぎない。東京タワーの上と下の距離を大きな旅客機が上昇したり下降したりしながら頻繁に?すれ違うというのはちょっとひやっとしませんか?

 神戸からの離陸機も、頭を押さえられる形で離陸後しばらく低空飛行を余儀なくされるという。冬には六甲下ろしの横風も強いだろうし、パイロットにとってはありがたくない空港だろう。

 まあ、それはそれとして、私たち軽飛行機乗りにとっては、空域が極端に不自由になった影響がやはり大きい。神戸や明石はこれまでほぼ自由に飛び回れていたのだ。
 それが、神戸・元町・三宮あたりの市街地は神戸空港の管制圏内になってしまったし、管制圏を出たところから明石海峡大橋の西までは「特別管制区」に指定されてしまった。特管区の設定は第三種空港(ローカル空港)としては極めて異例だ。
 「さようなら、自由な空」といったところか。

 まあしかし、道楽で飛行機を飛ばしている連中のことなんか気にかける必要はない(警察や消防、報道関係も不自由になるけれど)。
 こうなった以上は、何が何でも事故を避けるよう、管制官パイロットも、安全第一で行動することが大切だろう。

 ただ、一番の問題は、巨額の建設費と毎年予想される膨大な赤字をどうするのかだ。残念ながら、こちらはおそらく避けられない。
 「こんにちは、税金で穴埋め」