★3人

 最初がこういう話題というのもどうかとは思うのだが、旅行中、国立公園内で見かけた黒人観光客の数はなんと3人だった。前半にはまったく見かけず、後半になると意識して探すようになっていたが、それでやっと見つけだしたのが3人である。

 国民に多くの黒人がいるというのに、フランス語やドイツ語や中国語や日本語や朝鮮(韓国)語を話す人たちよりも圧倒的に少なく、観光中もばりばりの民族衣装を着ていたアラブ系の人より少なかった。

 いうまでもなく、われわれが見た観光客中3人というのは、アメリカの人口構成比とかけ離れている。何せ、年間300万人が訪れるという大観光地なのだ。

 パウエルやライスが国務長官になってきた国の現状はやはりそんなものであったというのは、予想された範囲から少し外れ、妙な落胆を感じさせるものであった。