★Happy Holidays !

 Merry Christmas と書きながら、キリスト教徒でもないのに、とか考えていなかったわけではない。だが、クリスマスはもう、立派な日本文化になっている。お正月とならぶ、国民最大のイベントといっても過言ではないだろう。スーパーのレジの女性までがサンタ帽をかぶっていたりするのだ。

 日本だけではない。たとえば、基本的に仏教徒の国であるミャンマーでも、日本と同じようなミャンマーナイズ?されたクリスマスを盛大にお祝いしているという。
 This is a great Christmas present, thank you. と言ったのは、その2時間前に「われわれにとってクリスマスは nothing だ」と言った、イスラム教徒のエジプト人だった。

 これに先立つ12月21日、「アメリカでは、Happy Holidays! とあいさつするのが一般的です」という記事を、『朝日小学生新聞』で読んだときは、「まさか」と思った。Happy Holidays と言わないとは思わないが、まさかそれが「一般的」ということはないだろうと考えたのだ。

 と思っていると、今日25日、「消える? 『メリークリスマス』」と題する記事が朝日に載った。要は、Political Correctness のために、数年前から Happy Holidays が目立ってきたという趣旨だ。いまや、「店内に」「「クリスマス」の文字が一切見あたらない」デパートまであるという。

 驚いたのは、20日に今年最後の記者会見をしたブッシュ大統領までが、「ハッピーホリデーズ」で締めくくったと書かれていたことだ。いうまでもなく、宗教右派の支持がなければ当選は考えられなかったあのブッシュが、である。

 当のキリスト教右派の中にはもちろん、これら一連の言い換え?に「「クリスマスに対する差別だ」と反発する動きも出ている」という。

 もちろん、アメリカにおける Merry Christmas ! と、日本のメリークリスマスとは、その意味合いがぜんぜん違うと思う。だが、数年後、アメリカで消えた表現が日本でさかんに使われているとすれば(前者は疑わしいが後者は確実だろう)おもしろい皮肉だ。