●疲れ・・・

 いつものトラットリアでパスタを食べ終わるころ、珍しく店員が声をかけてきた。いや、声をかけられるのは珍しくないが、ああいうことを言われたのは初めてではないか?
 あれ!? なんていう言葉だったか、最初が思い出せない。でもとにかく、次のような会話だった。

 「なんか暗いですね。お疲れなんですか?」
 「疲れているように見えます?」
 「ええ、少なくとも、元気って感じじゃないですね」
 「そう? ふーっ」
 「ため息はいけませんよ、ため息は」

 ため息ぐらい毎日何度もついている。そうなのか、ため息って、いけないのか・・・

 ごく小さな不幸は数多くあるものの、メジャーな不幸は何もない。不幸の不在はしかし、その逆を意味するものではない。

 ↓で書いた『地球のはぐれ方』が届いた。名古屋のリポートは最高だ。まだ通読したわけではないが、本の最後(本当に最後だ)はこう結ばれている。
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「幸せの敷居を低くするのが、人生をハッピーに生きるコツなのかも」と提案してみたかっただけだということを、薄々でも感じてくれたら、すごくうれしい。
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 わかってるよ。でも、どうやって?

 以上は昨日の話。

 今日は今日で、ちょっと刺激的な悪くない疲れと、後味の良くない変な疲れが両方残っている。『ブルース・オールマイティ』を見ても癒されない。こんな日には、薄っぺらな笑いとお手軽なお説教に感じられるだけだ。

 週末だ。だが、楽しいことは何もありそうにない。幸せの敷居を低くするには、名古屋に行ってみればいいのだろうか? それとも熱海に?