●「世界」とはどこのことか?

 相変わらず、ふとんの中でラジオやテレビの音を聞いている。NHKのラジオ第一放送では、午前1時前に「世界の天気」と題して、東京を含む15都市の天気と最高・最低気温とを放送している。

 ヨーロッパは、ローマ・ベルリン・パリ・ロンドン、である。アメリカも、ニューヨークとロサンゼルス。東京を除けば全部で14しかないのだ。こんなことをしているから・・・

 中近東とアフリカは1箇所も含まれていないニューデリーの後には、すぐにローマに飛んでしまうのだ。大陸ごと無視されているのは南極を除けばアフリカだけだ。
 中近東もアフリカも、面積的には言うまでもなく、政治的・経済的・文化的・宗教的・・・に大きすぎる地域なのに。
 ジャカルタインドネシア)にも触れないので、結果として、イスラム諸国をまるごと無視していることにもなる。

 NHKはこのことに気づいているのだろうか。気づいていないとすればあまりにもノーテンキだし、気づいていてこれを続けているとすれば、見識を疑う。なんとなれば、たとえば「カイロ」一つを入れるだけで、この問題は解決してしまうのだ。できれば、サハラ以南の都市なんかも一つ入れてほしいところだけれど。

 もちろん、日本人がたくさんいる(と勝手に決めた?)地域を重視しているとか、なじみのある都市名を優先しているとかの事情は分かる。しかしそれでも、「世界の天気」と称して不見識をまき散らしている現状は、何とかすべきだと思う。