●30年前のスパゲティ

20040711 六甲山の某ホテルが経営しているレストラン。前はもう少し安かったと思うのだが、スパゲティ「ペスカトーレ」が単品で1890円。税込み、サービス料込みの表示にするのにあわせて料金を改定したとの掲示があった。以前からそんなものだったかも。

 これがひどい。名前だけハイカ(って死語か)に「ペスカトーレ」なんだけど、味は30年前のそれ。「昔懐かしい」と言えないこともない。トマトソースを頼んだのだが、一言でいうとケチャップ味。麺は茹ですぎ、具も言及に値しない。いまどき、このスパゲティで2000円近く取る厚顔さには、「参った」という感じである。断言してもいい。私が作った方がおいしい。プロとしてのプライドがないのか。それとも、上の方針なのか。

 いや、おいしい食べ物はおいしくいただくが、そうでなかったからといって機嫌が悪くなったり不愉快になったり怒ったり、あるいは残したりもしない。ぜんぶ綺麗にありがたく食べた。ただ、やはりちょっと笑ってしまった、というのが正直なところである。

 「サービス料込み」というが、わざわざそう書くほどのサービスもない。水が空になっていても、こちらから言わなければついでくれない。連れにコーヒーを出すときに、その場所の皿は引いても、とうに食べ終わっているこちらの皿は残したまま。まあそれも、楽しく笑って観察しているだけであるが。

 値段にはもちろん、場所代が含まれている。いわゆる百万ドルの夜景を見下ろせるのだ(まだ日は落ちてなかったけど)。だから、設定はこのままでもいいだろう。だがしかし、いくら何でも味はもう少し向上させないと、せっかくの景色を楽しみながら、貧しかった?子ども時代、昭和の感傷に浸ることになってしまう。

 そうそう、分煙するのに好都合なフロアの形、十分な広さがあるにもかかわらず、全面喫煙可。これも昔懐かしい。ファミレス以下である。

 ときどき利用していたのだが(メニューによってはけっこうおいしいものもあるのだ)、やはり今度からは行くのをやめるべきか。抗議の意味でも。