■「無届けサーバー運営容疑で逮捕」

 ああ、びっくりした。

 本日付の朝日新聞夕刊に、中国人留学生が「無届けサーバー運営容疑で逮捕」されたというニュースが載っていた。

 サーバを運営するのに届け出がいるのか???

 記事には「無届けでインターネットのサーバーを運営したとして」「電気通信事業法違反の疑いで逮捕し」たとある。
 そのサーバーが悪用されていた「可能性」にも言及しているが、容疑はあくまで「総務相に届け出ずに」「サーバーを運営した疑い」だ。

 そんなことで逮捕されるのか???

 今でこそやっていないが、20年前から数年前まで、私自身、職場のパソコンを使って業務としてサーバを運営していた。
 最初のころは、職場にサーバの存在を届ける必要すらなかった。まあ、当時と今とでは法律も規則も違うのかもしれないが、今もサーバを運営している同僚は多数いる。

 近年はさすがに、サーバの存在を職場に届け出るので、職場が「総務相に届け出」ているのだろうか。うーん・・・
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 ネットで調べてみると、私と同じように、驚いてこのことを問題にしている人が2010年ごろからけっこういるようだ。今さらな話題で申し訳ない。

 要するに、「他人の通信を介する事業」(メールサーバなどを含む)を行って「収益を得る」場合は届け出が必要らしく、私の場合は後者には該当しないので、届け出は不要だったようである。
 でも、今使っている職場のメールサーバはうちの部署からお金を取っているのだが、「総務相に届け出」る必要があるのかな?

 いずれにせよ、より悪質な事件を摘発するためのとっかかりというか、いわば別件逮捕のような形でしか問題にされないようなニュアンスも感じられる。

 私が立てていたようなサーバが問題にされることはさすがにないようで、ちょっとほっとした。
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 それにしても、逮捕された中国人留学生は、「約180のサーバーを運営」していたというのだが、「アクセス数は1万件を超えていたという」と、いかにもそれが多いみたいに書いてある。

 「約180のサーバー」というのは確かに相当な規模だが、1万件のアクセスなんていうのは、ほんとに微々たるものである。サーバ1台あたりにすれば55件ほど。馬鹿馬鹿しいほどの数で、そんなに少ないわけがない。
 「確認された数が」なのかもしれないが、何桁も間違っているんじゃなかろうかと思われるレベルだ。
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 たった2段の記事で詳しく書けないのもわかるし、できるだけ誰にでもわかるように書く難しさもわかるのだが、いろいろミスリーディングな記事だと思ってしまった。