★不思議な道路

 北海道へ来て驚くことの一つに道路事情がある。

 いや、「まっすぐな道が地平線まで・・・」という話ではない。
 まあ、それもそうなのだが、とにかく道路が広くて立派で綺麗で交通量が少ないということだ。

 たとえば、今日、士別から苫前まで走った国道239号なんかは、キタキツネの通行量の方が車より多いんじゃないか(いや、真面目な話)というくらいの道路だったが、地図に「高速ロングワインディングロード」と書いてあるくらいの立派な道だった。
 一箇所だけ、路面がうねっていてちょっとだけヒヤリとさせられたが、整備状況だって立派なものである。

 同じ地図に、「交通量ほとんど無し 民家GS無」とも書いてあるのだが、民家すらないのにガソリンスタンドがあるわけがない。

 そもそも、こんな道路が必要なんだろうか。

 ・・・というような立派な道路が道内を縦横に走っているのだ。無料!の高速道路さえあちこちに存在する。
 さすが、北海道「開発」庁が存在しただけのことはある。大阪開発庁もぜひ作ってほしい。(アイヌへの仕打ちと環境の破壊はここでは措く。)
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 ところが、今日行った2つのメジャーな?観光地、大雪高原(高層湿原めぐりの起点)や銀泉台(赤岳登山口でもある)へ通じる道は、なんと未舗装なのだ。

 国道273号線を走っていると、「高原温泉」や「銀泉台」と大書した、国土交通省の青いオフィシャルな道案内が高々と掲げられている。
 ところが、そちらへ曲がると、いきなりの未舗装で、ずっとそれが続くのだ(銀泉台への北海道道1162号はごく一部だけ舗装されていた)。

 観光パンフレットにも、「自家用車で」とか「タクシーで」とか「バスを運行」とか書いてあって、未舗装路であることに触れていない。

 私はオフロードバイクなんかに乗ったりしていたこともあって、未舗装路への感覚がふつうの人とは違うと思うのだが、そういう経験のない人がこんな道を10kmも15kmも車で進んでいけるのだろうか。
 いや、それ以前に、入口の時点で進入をためらうのがふつうの感覚だと思う。もしかすると、道民だと感覚が違うのかな?
 観光地へ向かうはずのバスが未舗装路なんかを走り始めたら、バスジャックでもされたのではないかと不安になってしまう。

 道自体はけっこう広くてフラットなダートで、舗装するのは簡単そうに見える。他の素晴らしすぎる道を整備する予算をほんの少しだけ回せばすぐにでも舗装できると思うのだが、なぜ未舗装のままなのだろう。

 結局、今日は未舗装路だけで50kmも走らされる羽目になった。
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 もう一点、↓に書いたが、大雪高原へ登る未舗装路の制限速度は、場所によって 30, 40, 60!であった。そして、私の勘違いでなければ、銀泉台へ登る道道1162号線は、全線15kmにわたって 60km/h なのだった!!

 さすが北海道、懐が深い。

 「なんでこんな立派な道が40なの?」というところもあるにはあるが。