●頭の悪い免許制度

 ゴールド免許制度ができた後の最初の運転免許更新以来、ずっとゴールドを維持していたのだが、今はブルーになっている。
 更新時に過去5年間無事故無違反ではなかったということだ。
 厳密にいうと「更新前の免許証の有効期間が満了する日の直前の誕生日の40日前等の日から前5年間に違反を行った場合」(警察庁)に該当してしまった。

 その原因を作ったのは、6年前の、明らかな嘘をならべて違法な取り調べを行う警察官たちによる検挙(個人的には冤罪だと思っている速度違反)なのだが、まあそれはよい。

 その後、大型二輪の免許を取ったために、免許更新までの期間がまたそこから5年になってしまい、今もブルー免許のままになっている。

 ところが、昨年、また速度違反で検挙されてしまった。またと言っても5年ぶりだが、その前はほとんど30年ぶり(しかも冤罪くさい)だったので、またしても!という感じだった(検挙に不満はあるが、幸い?冤罪ではない)。

 そうすると、次回の更新後、さらに5年間、ゴールド免許から遠ざかることになる。
 まあ、そういう制度なんだから仕方ないかと思っていた。

 だが・・・

 実は、次回更新の2年前までにもう1度違反をすれば、2年早くゴールド免許に復帰できることがわかった。

 さらに違反を重ねた方が、ゴールド免許を早く手に入れられる!のである。

 そんなばかな話があるだろうか。

 現状のまま次の更新を迎えると、「5年間で軽微な違反1回のみの者は、優良運転者に準ずるものとして、有効期間を5年とする」(警察庁)という規程に則って、ブルーの5年免許になる。
 ところが、もう一度違反を重ねると、有効期間が3年になり、その次の更新時まで無事故無違反であれば、2年早くゴールド免許を手にできることになるのだ。

 この話を家人にすると、「ゴールドだと何かいいことがあるの? どっちでもいいと思うけど」という。

 ひとつには、そういう問題ではないということがある。
 違反が多い方がゴールド免許への復帰が早いというのは、明らかに制度設計に失敗しており、社会正義にも反する(笑)

 もうひとつ、「何かいいこと」は確かにあるのだ。
 ゴールド免許だと、ほとんどの自動車保険が安くなる。私の場合、車もバイクもあるので、ダブルで効いてくる。たぶん、合計で年3万円くらい違ってくるのではないかと思う。
 このままでは、ブルーの期間が通算13年くらいになってしまうから、ゴールドとの差額は40万円!!ほどにもなるのだ。まあ、制度上の欠陥に起因するのは2年の違いだが、それでも6万円ほど損する。わざと違反をして1万数千円の反則金を払っても十分黒字だが、シートベルト装着義務違反等ならお金はかからない(シートベルトは絶対に外したくないけど)。

 「わざと捕まったりしなくてもいいやん」と家人は言い、「そうやな、また何かで捕まるかもしれへんし」とは返事するのだが、免許を取って三十数年で検挙されたのは4回だけ(それでも多すぎる気がしている)なので、残り半年あまりのタイムリミットまでにそう都合よく捕まるとも思えない。

 自分で言うのも何だが、安全には人一倍気を配っている優良運転者なのだ ^^;
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 この頭の悪い制度設計が事実なのかと調べていたところ、もうひとつ、面白い例も見つかった。

 初めて免許を取るとグリーン免許(3回目の誕生日を迎えるまで)だが、次の更新でブルー免許(3年)になり、さらに次の更新を迎えたときに、それまで無事故無違反ならふつうはゴールド免許(5年)が交付される。
 ところが、誕生日間近に免許を取った人は、最初の免許の有効期間が2年あまりしかないため、無事故無違反のまま2回の更新を経てもまだブルー免許のままであり(さきほどの「誕生日の40日前」云々が効いてくる)、しかもそれが5年続くことになる。

 つまり、免許取得からずっと無事故無違反でも、10年を超えてゴールド免許を得ることができない計算になる。
 20歳で免許を取った超優良運転者が30歳時点でまだブルー免許・・・というのはかなり理不尽じゃないだろうか。

 しかも、無事故無違反ではなく、軽微な違反を2回(以上)すれば(1回ではダメ!)、2年早くゴールド免許を取得できるのだ。
 なんという馬鹿げた制度・・・

 こういう制度を作っている責任者の半分くらいは東京大学を出ている。
 にもかかわらずこんなに頭の悪い制度を作るとは、いったい何のために東大を出たのかと思う(まあこれは冗談です)。