★諸行無常

 この題名で書くのは何度目になるだろうか・・・
 クリスマス・イブだというのに。

 「★舌先の違和感」で2度目に名医を訪れたとき、週末にかけて向こう2日間ほど急に休診することになったという連絡に事務員たちが追われていた。
 先生ご自身はお元気そうに見えたので、ご両親のどちらかがお亡くなりになったりしたのだろうかと思っていた。

 それから1週間ほど経った今日、息子が風邪をひいていて咳が止まらず、喉を痛めているようなので、予約が取れれば行こうかと、ネットで試してみたところ、年内はもう一切予約が取れないということになっていた。
 先日の休診の影響で混んでいるのかと思ったが、舌先がまだ完治していないこともあり、自分の薬だけもらえるかと予約を取り直すと、投薬だけなら可能であった。

 医院に着くと、混んでいるのではなく、今日(午後?)から年始にかけては休診であることがわかった。事務員たちは例によって予約患者への連絡に追われている。

 前回は遠慮したのだが、どうにも気になるので、支払いを済ませて処方箋を受け取るとき、「先生、どこかお悪いんですか」と聞いてしまった。
 すると、意外な答えが返ってきた。

 「奥様が急にお亡くなりになったので・・・」

 ご両親ではなく、奥さんなのである。1週間前は「倒れた」とかそういうことだったのだろうか。
 先生の年齢から推して、奥さんは50代かと思われる。何とも早すぎる死だ。

 交通事故・・・とかかもしれないが、そうではないとすると、余計やりきれない。
 名医と暮らす配偶者が、これほど若くして亡くなってしまったのだ。

 日本人のノーベル賞候補者として有名な、免疫やガンの研究者も、奥さんを若くしてガンで亡くしている。

 2011年のノーベル生理学・医学賞を受賞したラルフ・スタインマン氏は、受賞理由となった樹状細胞を使って自身の膵臓ガンを治療中に亡くなり、受賞の報を聞くことができなかった

 一方、私と家人の計4人の両親、姉や弟などは、この数年〜1年ほど、悪性リンパ腫やらガンやら心筋梗塞やら敗血症やらで入退院を繰り返したりしていたが、この正月は全員自宅で迎えられる(はずだ)。
 姉や弟はともかく、親たちは一番若くても80近い。

 まあ、身内が亡くなるよりは他人が亡くなる方がまだましには違いない。

 いや・・・ 

 やはりそうではなく、きちんと順序に従って亡くなっていく方がまだ救いはある。
 名医と暮らしてきて50代で亡くなるなどという理不尽は、たとえ他人事であっても、無常の観を新たにするのに十分すぎる。