◆無料国際電話

 その昔(心理的には今でも)国際電話をかけるのにはかなりのハードルがあった。
 まず料金が高い。それに、相手は日本語をしゃべらない可能性が高い、音質も悪くて聞き取りにくいなど、実際にかけるとなるとちょっと気合いが必要だった。

 今の職場に勤め始めたとき、「国際電話をかけるときには申請書を出せ」とかいう話があり、「しばしば外国とやりとりをする部署なのに、そんな悠長なことをしていて大丈夫なんだろうか」と、かなり疑問に思った記憶がある。
 ただ、ほどなくしてインターネットの時代が来て、海外との連絡には(も)メールを使うのがふつうになった。
 そういうと、職場から国際電話をかけたことはほとんど(もしかすると一度も?)ないんだけれど、今は何も考えずに部屋にある電話からかけてもいいんだろうか。

 今回の旅行では、仕事の場所にもホテルにもインターネットアクセスがあり、それを使えば無料で日本と連絡できる。仕事仲間も、facetimeで子供と話すとか言っていた。

 私のiPhoneには LaLa Call というアプリを入れていて、それを使えばインターネットを介して家の電話と無料で通話できる。関西電力系の eo光がやっているサービスだ。原理的には海外でも使えるはずなので調べてみると、インターネットに繋がりさえすれば大丈夫なように書かれていた。

 家人からメールで連絡があって、義父に続いて義母も入院したということもあり、先ほど試しに電話してみた。
 なんと!と驚くほどのこともないのかもしれないが、日本にいるときとまったく同じ操作で、番号すら国番号とかつけないで、あっさりと繋がって話ができたのにはちょっと感動した。
 それが無料なのである。
 日本の他の電話にかけると有料だが、国内からかける料金と変わらない。
 とうとうテレコミュニケーションの時代はここまで来たんだなあと、ちょっとした感慨を覚えた。facetimeとか使ったことがないので、そっちの方がもっとすごいんだろうけれど。

 でも、facetimeが無料なのはわかるが、家の電話と話をしてほんとに無料なのだろうか。帰ってから莫大な国際電話料金を請求されるのではないかと、古い頭で1%くらい心配している。