■何年ぶりかのウソ
珍しく?細かく予定が埋まってばたばたした週も終わり、ちょっとひと息。
折りから雪も降ったので、少しは出かけてみようと、例によって一人で箕面・妙見方面に向かった。
午後も3時を過ぎており、遠くへは行けない。
案に相違してというべきか、ほとんどまったくと言っていいほど雪はなく、肩すかしを食らう。
いつぞやタクシーがスタックしていた雪国ライクな道でさえドライ路面で、路肩の雪すらほとんどない。
光明山(後で地図を見た)のあたりで路面から右に飛び上がったのは、ルリビタキか。ゴジュウカラではあるまい。
さすがに妙見山に着くとごく一部にうっすらと、あるいは除雪されて固まりになった雪はあるが、それだって、夕べ降った雪には見えない。
昨夜レーダーエコーで見たところによると、ごく小さな雪雲がたまたまうちの上空を通過しているだけにも見えていたのだが、あれは実際そうだったのだろうか。
朝起きると近所の屋根はすべて真っ白だったのに、午後4時に氷点下2℃の妙見山頂に雪がないのだ。夕べの雪が日中に溶けてしまったとも思えない。
1箇所だけ、道が凍っていたのか、ダッシュボードにESPの作動ランプがついたのだが、それ以外は後輪駆動の夏タイヤでも何の問題もないようなドライブだった。
せっかく雪を楽しみにしていたのに・・・
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駐車場に車は3台ほど。ほとんど人気(ひとけ)がない。
鳥を探して歩き出すのだが、しん としてときおり風の音が聞こえるばかりである。
このまま引き返すのもなあと思ってそこいらを一周しようと歩き出すと、牡丹雪が降り出した。
数羽の小鳥の群れが空を舞う。双眼鏡を目に当てたときには木の向こうへ消えていった。イカルかアトリか・・・
雪の中を歩き続けるも、物音一つしない。死んだような林が左手に続くだけ。
気紛れに梢を見上げたのはどうしてなんだろう? 明らかな小鳥のシルエットが4つ見える。
双眼鏡で見ると、ウソであった。オスが3羽、メスが1羽。
ウソを見るのなんて何年ぶりだろう?
あまりに静かなので、桜の花芽を食べる音まで聞こえてくる。
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ほどなく、雪は止んだ。
今度は本殿の方へ向かい、反時計回りに一周する。雲の向こうにみごとな夕日。
ヤマガラ・エナガ・シジュウカラ・ホオジロ・またウソ。ウソは同じ連中かもしれない。
駐車場に戻ると、まだ5時前だというのに、残っているのは私の車だけになっていた。