◆記念と記録と記憶

 ヨーロッパで撮った写真を眺めたりしていたときだと思う。タイトルの言葉が自然に浮かんできた。

 その昔、写真を撮るのは多く記念であり、残りは記憶で補うしかなかった。

 ところが、デジカメが登場して状況が一変する。
 少なくとも私にとっては、写真は記録のためのものになった。

 ちょっとしたことでもカメラにおさめておくと、それをきっかけに記憶は後から引き出せる。その絶対量が、記念に写真を撮っていたころとは比べものにならない。

 ただ、他の観光客たちを見ていると、やはり多くはまだ記念写真を撮っている。だから、そこらじゅうを写真に撮っているのが周囲からどう見えているかがかなり気になる。

 記録じゃなくて、芸術として撮っているならまだいいんだけど。
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 記録は記憶を補完してくれる。時に残酷なぐらいに。