■ユーロネットの ATM でお金を引き出してはならない

 以前、海外旅行へのお金の持って行き方を書いたことがある。そのバージョンアップ版?を。

0.基本的に両替はしない。
1.とにかくできる限りクレジットカードで支払う。
2.現金が必要な場合は、クレジットカードのキャッシング機能を利用して最小限手に入れておく。
 (ただし、1回払いで翌月返済する)
3.新生銀行等に口座を作って、ふつうの円預金口座から現地通貨を引き出すことも可能。

 1が重要だが、各国で何度か試した結果、現金が必要な場合には、キャッシングの利息を支払っても、クレジットカードの方が両替するよりはるかに有利なことがわかった。
 ただし、リボルビング払いによる返済しかできないカードがあったり、海外でのキャッシングに限りリボルビング限定とか、種々あこぎな商売があるので気をつけなければならない。
 MUFG系のカードなら、すべて一回返済に対応しているそうだ(2012.8.20現在。オペレータに確認)。

 これも実験して、3よりも2の方がレートがいいことがわかったので、現在はなるべく1と2で間に合わせるようにしている。
 観光地ならATMを見つけるのは難しくないので、何の問題もない。稀にクレジットカードで現地通貨が引き出せないときは新生銀行の口座から引き出している。

 ただし・・・

 ATMによっては、不当な?手数料を要求してきたり、非常に悪いレートを押しつけてきたりするので注意する必要がある。
 その手のATMは、すぐに現金が出てこないで、「以下の条件を承認して引き出す」のような、他のATMとは違う画面が一つ出てきて、Accept(承認)を押すと、お金が出てくるようになっている。
 条件を承認してしまったのだから、文句は言えない仕組みになっているわけだ。

 今回の旅行でも実験を続けているので、少額でいろいろ試してみたが、以下の2つを経験した。

A.手数料6%を承認するか。
B.画面に表示したレートを承認するか。

 Aはわかりやすく、10000円おろすと600円損する。2000円なら120円なので、まあいいかという気になるかもしれない。

 Bは、レートの相場を知らなければ、有利か不利かがわからない。だが、ATMがレートを表示する時点で、非常に悪いレートであることは明らかだ。

 ユーロネット(EURONET)がやっているATMで引き出そうとするとBの表示が出た。非常に悪いレートだったが、数千円で実験したので、やってみた。

 そのレシートがふるっている。

 要するに、「私はクレジットカード会社が設定したレートではなく、ユーロネットが設定した非常に悪いレートで両替することを承認しました。自分で承認したのだから、一切異議は申し立てません」というような文言が(もちろん「非常に悪いレート」とは書いていない)印刷されていて、文句が言えないようになっている。
 確かに、レートを見て Accept を押したのは事実だから、仕方ない。

 ATM に Citibank の表示があったので、ある種安心したのだが、Citibank グループもあこぎな商売をしているものである。
 (後記:キャッシングの明細が来たので計算してみると、この時だけ、ほかよりも10%も悪いレートだった。1万円ならまるまる千円の損である。)

 本来は「クレジットカード会社が設定したレート」でキャッシングできるのが当然だ。それだって、素晴らしいレートとは言えない(通常、銀行間レートに1.63%が加算されるようだ訂正:買い物の場合と違って、キャッシングの場合はこの加算がなくてその分有利です)し、年利18%とかの利息を請求してくる(ただし、翌月には返すので、実際は最大でも3%未満になるはずだ)。

 なお、プラハでは、中央広場に警察の車両が駐まっていて、両替に注意するように呼びかける大きな看板(と街の地図)だけを設置している。
 ぼったくりやスリが多いなど、ほかに注意喚起することもあるはずだが、実際に一番被害が多いのは両替だからだろう。
 正規の業者だって、あの手この手で利ざやをかすめ取ろうとしている。レートがいいなと思うと手数料が19.8%、Commission(手数料) 0 % と書いてあるとレートが非常に悪いといった具合だ。

 いまだに両替商で現金を両替しようとしている人がけっこういるのは不思議でならない。
(ただし、VIPレートと表示して、日本円で10万円以上交換する場合は非常に有利なレートを提示している両替商が一軒あった。ほんとうにあの通りなら素晴らしいが、レート板の写真を撮ろうとするとやめるよう言われたので、なにかからくりがあるのかもしれない。いずれにせよ、10万円以上の交換など、われわれには関係ない・・・)

1.とにかくできる限りクレジットカードで支払う。
2.現金が必要な場合は、クレジットカードのキャッシング機能を利用して最小限手に入れる。
 (ただし、1回払いで翌月返済する)
 その際、手数料やレートの承認を求めてくる ATM は避ける。

のが一番だ。

 海外へいらっしゃる方の参考になれば。