★酒も煙草もやめられぬ独裁者

 北朝鮮金正日総書記が死去したという。69歳。

 国民は困窮しているとはいえ、「偉大なる将軍様」は何もかも十分に享受できたはずだ。医療も。
 そのことを思えば、いかにも若すぎる死である。

 むろん、避けられない死というのはいくらでもあろう。しかしながら、

度数の強い酒とたばこを好み、08年に倒れた後はいったんやめたものの、最近は酒もたばこも再開。今年8月のロシア訪問では、太った金総書記の映像が流れ、韓国政府内では「酒などを自制できず、むしろ健康不安が高まる」との見方が出ていた(朝日新聞
というのは、(事実であるとすれば)いかにも情けない。

 多くの国を「敵」に回しつつ困難な道のりを歩んでいる国の独裁者が、自身の生命はおろか、国や国民の運命にまでかかわりかねない節制を実行することすらできないとは・・・

 「偉大なる将軍様」が、かくも意志薄弱な迷える子羊であることが明らかになると、若いときからさらに太っている3代目の後継者がどんな人物なのか、想像できてしまうような気がする。あの悪名高き3代目、王子製紙の会長ですら、スラリとしていたのに。
 ___

 自身の意志薄弱を顧みるとき、独裁者ですらそうであることを知るのは、幾分かの慰めには・・・やっぱりならない。