★ひとつ結び、ひとつ開く

 先日、おいしい蕎麦が食べたくなって、久しぶりに「あき津」に行った。

 駐車場に車がいなくてラッキー、と思ったのも束の間、どうも様子が変だ。いつも駐まっているこの家の車もなく、窓には2つともシャッターが下りている。
 それでも諦めきれずに観察してみると、あの趣深い「あき津」の看板までなくなっていた。

 ・・・ということは、お休みではなくて、廃業したのか。

 帰宅してからウェブサイトを見てみると、「都合により休業いたしました」の文字。
 おいしい店としてあちこちで紹介されていたはずだが、やはりあの場所では厳しかったのだろうか。それとも、何か他に事情があるのだろうか。

 いずれにせよ、ご健康とご多幸をお祈り申し上げる。「廃業」でないならば、ぜひ復活してほしい。
(後記:2012年4月20日より「再開」なさいました!)
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 後日、あき津で蕎麦を食べられなくなって残念だという話をいつもの寿司屋の大将にしたところ、「そば紀行」と「蕎麦屋 木田」を教えていただいた。前者はこのブログでも紹介しているが、後者はかろうじて名前を聞いたことがあるぐらい。

 「いつも外まで並んでいる」という話も聞いたので、行列が何より嫌いな私としてはどうしようかとも思ったのだが、やっぱり偵察に行ってみることにした。

 案の定、外には数人が待っていて、7台もある駐車場も満車。8台目がその前で待っている。私はその次になってしまうので、以前から気になっている近くのイタリアンにでも変更しようかと、ナビに目的地を入力している間に順次2台が出ていって、無事駐めることができた。蕎麦だから回転も速いのだろう。

 外で30分ほど待つ。ちょっと寒いが、木のベンチが用意してあるので、パソコンを広げて仕事をしていると時間の無駄もない。

 案内された店内は、天然木を生かしたテーブルと椅子のある落ち着いた空間だった。

 それほど待たされることなく、注文した天せいろがやってくる。まず天ぷら、ほどなく蕎麦。

 どちらも、北摂では1,2を争うおいしさではないだろうか。もしかしたら大阪全体でも。

 さらに驚いたのは、値段である。

 天せいろ1700円は仕方ないとして、せいろ蕎麦がなんと550円、2枚重ねで850円。今どき、こんな値段でこんなにまともな蕎麦が食べられる店が他にあるだろうか。「そば紀行」ももちろんおいしいが、前者で1200円である(後記:1000円に値下げされているようです)。倍以上だ。

 次回はなるべく時間を外して、せいろの2枚重ねを食べてみようと思った。