■あゝ野麦峠 その2

 朝7時過ぎに目が覚める。

 久しぶりに見る太陽と青空。柄にもなく少し心が弾む。

 7時半の朝食に間に合わせるべく、最後の温泉に入る。

 朝食の席では、奥さんが「やっと天気がよくなって」とわがことのように喜んでくださった。

 が・・・

 そのころからすでに雲行きも怪しくなり、チェックアウトの準備をしていると、派手な雨音。

 しかたなく、雨宿りのつもりで、宿に備え付けの『岳』(山岳救助マンガ)を2冊読む。昨夜から読み始めていたのだが、お蔭で、本棚にあった1〜9巻(なぜか8巻のみ欠)ぜんぶ読了した。

 10時にチェックアウト。

 雨はやみそうにないので、結局、昨日行くはずだった「野麦峠の館」に行くことにする。ペンションの奥さんがおっしゃっていたとおり、館長さん?の説明がありがたかった。
 その後、岐阜県側の野麦集落を往復して、午後2時40分ごろ乗鞍に帰ってきた。

 今日の活動はそれだけ・・・

 ときおり青空も顔を見せるのだが、ずっと降ったりやんだりだった。
 ニュースといえば、白樺峠付近で猿の群れを見たぐらい。大阪・箕面の連中と違って、車が近づくと谷に消えた。

 このまま帰るのはあんまりなので、もう一日予定を延ばすことにする。

 30年近く前に泊まった民宿が気になっていたので、そこを訪問。玄関で声をかけてもなかなかどなたも現れなかったのだが、出てきた若女将?は「お休みをいただいてます」という。明日から三連休なのに、今日は誰も予約が入らなかったのか・・・
 「楽天トラベル」なんかに登録していないのが原因の一つではないかと思った。

 仕方ないので、近くの別の民宿へ。もともと、車中泊にでもしようかと思っていたし、明日は晴れるという予報なので、思い切って朝早くに出ることにし、素泊まりを申し出る。

 お湯のポットも布団を敷くのもセルフサービスだということだが、露天風呂もあるというし、車中泊に比べれば天国である。
 ちょっと傾きかけているような古い民宿で、床も畳もところどころ浮いたりしているのだが、ネットは無線であっさりつながった。「時代」だなあ。
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 明日ももし雨だったら、もうぐれてやろうと思っている。