■シルビアのいる街で

 冒頭、ほとんど動かぬ主人公が写ったところで、もう「15秒送り」のボタンを押したい誘惑にかられる。

 が、その後はまあ、その衝動は起こらなかった。

 これまで見たあらゆる映画の中で、もっともわけのわからない芸術作品。
 さりげなさを装った過剰な演出もちょっと鼻につく。

 不思議と最後まで見られたのは、ストラスブールの街と女性たちの映像、そして「シルビア」の美しさ故か。

(En la Ciudad de Sylvia/Dans la Ville de Sylvia, 2007 Spain, France)