◆贅沢な蕎麦

 湖北の探鳥地まで、車で1時間半しかかからなかった。ほとんどずっと高速道路みたいなものだとはいえ、そんなに速いとはさすがに思っていなかった。

 帰りも同じルートを取るのは芸がないと思い、久しぶりに鯖街道、朽木方面に回ることにした。いつぞやの遭難しそうな雪の日以来ではないかと思う。
 (・・・なんと5年ぶりなのか)

Dsc05472_169 暖かい日が続いているとはいえ、雪は大量に残っている。

 朝食が6時前と早かったせいで、お昼がコンビニのおにぎりだけでは小腹が空いてきた。朽木で「石臼十割そば」の看板が見えたので、少し行きすぎてからUターンして引き返し、ざるそばを食べることにした。

Dsc05476_169 看板から、それなりの蕎麦を出すのだろうとは思っていたが、メニューを見て驚いた。何もついていないただのざるそばが、1365円とある。
 まさか値段に負けて辞去するわけにもいかず(なにしろ、それより安いメニューがないのだ)、それを注文した。素のざるそばとしては、そば紀行を超えて、私の食した最高値だと思う。

 結果的に、悪くはないのだが、特にそれほど価値のある蕎麦だとは思えなかった。同じぐらいの値段で、東風なら天ぷら盛り合わせが、あき津ならカモの「ステーキ」がついてくるし。

Img_9994_32 もっとも、山葵も本物らしく、テーブルの上の「赤七味」も「黒七味」も山椒をベースとしたいいもののようだった。
 窓の外には竹を透かして雪景色が見える。
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 しばらく南下すると、右手にキッチン四季が見えてきた。

 貧乏性ゆえ、ざるそばに1365円払うなら四季に来ればよかった・・・と思ってしまうのだが、後の祭りである。